篠崎さんのこと

 突然ですが思い出したこと。私が初当選したのは1987年のこと、同期の議員には成田大信さん、中野正義さん、貞方寛さん、長沢とよさん、又木京子さん、故篠崎一成さん、がいらっっしゃいました。
 篠崎さんはさまざまな政治的状況の中で、2期でありながら議長職に就くということになり、そのことについてもさまざまな意見があったことを思い出します。歯に衣を着せずにものをいう篠崎一成さんは、たとえば市長のあいさつの後にでも議長挨拶で市長の言ったことをたいして意に介さず挨拶をしたらしく、そのことをもって当時のベテラン議員らから批判めいた言葉が聞かれたこともありました。
 
 若くして亡くなられたのは大変残念でしたが、商業振興などに大変熱心でもあり、若くて一人会派の私にも公平に接していただき情報提供もいただいたことには今もなお感謝しています。
 さて現在、厚木市議会の中で、昨日もお伝えした通り、議会改革が論議になっています。一方、財政の厳しさの中でどのように住民サービスを維持するかも私たち議員にとって大変重要な課題です。篠崎元議長が亡くなられてすでに13年を経過していますが、山積する課題を篠崎さんの持ち味だった豪快な笑い声で明るく吹き飛ばすように、解決していかなければと思います。

 篠崎さんの追悼演説は同じ厚木北地区で議員をしていた柏木議員(元議長)が行いました。ぜひ、思い出していただければと思います。(以下転載)

 ◯23番 柏木 功議員 (登壇)皆様、おはようございます。私たちの同僚議員でありました篠崎一成議員が、去る4月24日ご逝去されましたことは、再起を願う私たちの心に大きな空洞ができたような深い悲しみでいっぱいです。ここに故篠崎一成議員の急逝を悼み、議員各位のご同意を得て、議員一同を代表して、謹んで哀悼の意を述べさせていただきます。
 本日の6月定例会に篠崎議員の元気なお姿を拝見できないのは、まことに残念でなりません。顧みますと、篠崎さん、あなたは、昭和14年3月、この郷土厚木の土地に生を受けられ、地元の県立厚木高等学校を経て、昭和36年明治大学法学部を卒業、衆議院議員秘書として政界への第一歩を踏み出されました。その後、昭和39年、秘書時代に培われた貴重な体験を踏まえて、有限会社大島屋の専務取締役に就任され、昭和49年以降は代表取締役として経営の第一線に立たれ、地元の商工業界はもとより、厚木市全体の経済界のリーダーとして、卓越した先見性と大胆な洞察力のもとに、厚木市の発展に寄与されたことは、市民がひとしく認めるところであります。
 また、明治大学校友会厚木支部にあっては、組織の重鎮として、毎年開催される同大学のあの有名なマンドリンクラブの定期演奏会の企画、運営に当たられ、市民の音楽鑑賞の向上にも尽くされ、明大マンドリンクラブのファンを大きく広げられました。そして、あなたの持つすぐれた知性、行動力、先見性、人情味あふれる指導力などが多くの人たちに認められるとともに、地元の人たちを初め、広範な方々の推薦を得られ、昭和62年7月、厚木市議会議員選挙に出馬、初当選の栄に輝かれ、連続して3期ご当選を果たされ、市政の推進に参画されていったのであります。
 その間、経済建設常任委員長などの要職につかれた後、平成5年8月には、2期生としては初めての厚木市議会議長に就任され、あなたのそのすぐれた識見と情熱を持って議会運営に当たられた功績は、議会史上にさん然と輝いており、議員一同はもとより、広く市民の認めるところであります。
 厚木地区において、あなたと私は協力しながら、東部地区の再開発事業を初め、商業問題、福祉政策、公民館活動等、市政のさまざまな課題に積極的に取り組んでまいりました。特に長年交通渋滞のネックになっておりました橋梁問題も、あゆみ橋が完成し、去る2月1日に開通式が行われました。そのとき、あなたも元気に出席をされ、その喜びをかみしめられておられたあの顔は、終生忘れ得ぬものであります。あゆみ橋の完成は、あなたの提唱されたまちづくりに大きなはずみがつくと思います。私どもは、あなたの遺志を引き継ぎ、魅力ある明るい豊かなまちづくりに邁進する所存であります。
 また、あなたがライフワークとして取り組んでこられた経済問題、特に大型店対策も、あなたの努力により、市、商工会議所、商連との調整により市民のニーズに合った出店がなされており、あなたが議会の一般質問でたびたび取り上げられたことが実を結んだものと確信いたしております。厚木市の輝かしい未来が今、開かれようとするときご逝去されたことは、まことに残念でなりません。しかし、あなたの努力とその成果は、厚木市の発展とともに永遠に尽きることはありません。
 21世紀を目前に控えたこの大事な時期にあなたを失ったことは痛恨のきわみであり、残念でなりません。私たちは、篠崎さんのご遺志を大事にしながら、厚木市政発展のために努力を積み重ねていくことをここにお誓い申し上げます。篠崎さん、あなたのありし日の面影をしのび、生前のご功績をたたえ、ひたすら泉下の平安をお祈りするとともに、ご遺族並びに厚木市の前途に限りなきご加護を賜りますようお願い申し上げ、享年57歳、今は亡きあなたの議席に敬意を表し、追悼の言葉といたします。
 平成8年6月10日、柏木功。