平成28年度予算など採決

昨日25日、定例の会議の最終日、予算など採決をして終えました。反対討論の要旨は以下に若干記しておきますが、議会というところは、私のように議場で反対をするものよりも賛成しつつもその実賛成などしていないという向きのほうに警戒をしなければならないところだということを実感するものです。とくに、人事案件などには如実に表れます。今回、新聞記事になるほどのこととなった副市長人事。根深い問題を感じます。

<反対討論の要旨>

2015年3月25日 反対討論
反対した14議案は

■議案第8号 平成26年厚木市一般会計補正予算(第7号)
■議案第9号 平成26年厚木市後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第2号)
■議案第10号 平成26年厚木市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
■議案第11号 平成26年厚木市介護保険事業特別会計補正予算(第2号)
■議案第13号 厚木市工場立地に関する準則を定める条例について
■議案第14号 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理等に関する条例について
■議案第18号 厚木市介護保険条例の一部を改正する条例について
■議案第19号 厚木市保育の実施に関する条例を廃止する条例について
■議案第20号 平成27年厚木市一般会計予算
■議案第21号 平成27年厚木市公共用地取得事業特別会計予算
■議案第22号 平成27年厚木市後期高齢者医療事業特別会計予算
■議案第23号 平成27年厚木市国民健康保険事業特別会計予算
■議案第24号 平成27年厚木市介護保険事業特別会計予算
■議案第25号 平成27年厚木市公共下水道事業特別会計予算




■まずは一般会計予算以外では
医療福祉関係特別会計などは、国の基本的制度の矛盾点があるがゆえに自治体が困難に直面していることについて、抗議する意味で反対するものです。

■公共下水道は、上水道の利用との関係を含めた受益者負担制度の考え方や、広域の在り方、今後の負担の問題や特別会計であることそのものなどを疑問とし続けています。

■一般会計補正予算は、今回については地方創生という国家政策の方向性についての批判が主です。地方の自主性と言いながらもここまで統一感が感じられる制度設計は、あまりに日本的と言えば日本的、官僚的と言えば官僚的、画一的手法に違和感があります。

■工場立地は自治体にできる防衛策としては理解できますが、本質的な問題についてはどうするかの政治的方針が示されていません。特例を設けていくという手法は本来おススメできるものではないからです。

■教育行政については、教育長と教育委員長の一本化や首長の関与の増大を、手放しで歓迎することは全くできません。現場からの積み上げで改革されたものではない、ということもまったく本質的解決を遠ざけて、より問題解決に依存的傾向を生みかねないと懸念します。

■介護や保育についても、国の制度設計が揺れ動いたまま、自治体が翻弄されている姿であり、条例の整備や整理そのものは必要にして不可欠な処理ではありましょうが、同時にそのことのみにとどまらない積極的な自治体の主張を見せてもらいたいものです。



一般会計予算を中心に総括的に述べると
道州制導入に否定的な厚木市は、そのことを含めて世論喚起をしていく必要があります。大都市制度を、国主導で進めるのではなく地域主権につながるようにリードしていく必要があるのです。その意味からは、現状進められている「地方創生」などの政策は、歓迎すべきと言えるでしょうか。

臨時財政対策債の恩恵からも見放され、デメリットを痛感することが多い不交付団体である厚木市は、市長会などの地方六団体を活用することに活路を見いだせるでしょうか。地域主権確立に、この旧来の団体は、もはやかつてのように利害を共有する面もありましょうが、自治体間の競争があおられ利害も異なる昨今では、十分機能するとはいいがたいと思います。したがって、独自に政治的な動きを模索するか、国政に自ら乗り出すか、などきわめて選択肢が狭くなっています。地域主権が遠いことを実感させられます。

■総合計画及びその財政推計は、いままさに重要で、市長マニフェスト・公約ありきで突き進むことなく検証をすべきです。当面の利害、利害対立を解決しつつ、将来に備えること、および優先度合いについて市民が相互に合意をするという訓練が必要です。

細かな点でいくつか述べますと

■委託費については、それぞれの職場で必要人数を確保してくれればそれ以上は問わないかたちに現実はなっていますが、いったい人工(にんく)が何人で、そのために登録が何人のどのようなローテーションになっているかまで、掌握すべきです。

■命と暮らしの最優先、については異論があるはずもありませんが、そのわりにはいただいた資料によりますと、県警察の予算配分などの情報が十分伝わってこないのは誠に遺憾です。公安など捜査部門を除き、防犯や交通安全の分野では基礎自治体に警察の権限があってもよいくらいではないか。交通安全は、幾多の警察との協力事業がありますが、市独自のヘルメット助成と合わせてそれらだけではどう考えても不十分です。防犯に関する県の予算配分は26年度が1700万円ほどだったのが1600万円弱に、約100万円ではありますが縮小しているようです。交通安全も約1800万円が1700万円に減額されています。あり方を模索する価値はないでしょうか。

■維持補修費も大幅に削減されているのが気がかりです。対前年比28.3%、2憶6069万円減、ということで安全が優先されているのか不安です。

■予算提案は機構の提案と同一で、が持論なのですが、今回は市長選と重なったためやむをえません。大幅な改革はなさそうですが、思い切った縦割り廃止、とくに部長級だけでも、肩書で呼ぶことから名前で呼び合い、もって総力体制、臨戦態勢をひいてみてはいかがか。

中心市街地問題もあります。部分部分で事業を仕上げようとするのではなく、まずは厚木市全体の方向性を確立して、そのなかで市街地をどう整備しなおすのかを決めていかないと、人口のキャパシティ、車交通量のキャパシティ、など変化する諸要素に対応不能となります。

マイナンバー、には当面課題のほうが気になります。ビッグデータの利用が優先されると情報の流出リスクが高まります。少なくとも、公開で講習の回数を増やして疑問点の解消に乗り出していただきたい。

■消費者保護を中心とした民法改正の動きがあります。もっとも手を付けるべき分野が多く残された法律ですがこれも遅々として進んでおらず、自治体側からも不都合を解消するように求め、さらに準備に入る必要があります。

■アミューあつぎ、公共施設利用状況はギャラリー来館者を含み平均稼働率は55.7%。これはどうみるべきでしょうか。

■窓口業務をどこか軽視している、正規職員はもっと大事な仕事がある、というようなニュアンスを感じさせるようなことがないように、そのスキルは自治体職員にとって必須の部門で、とくに福祉の窓口や担当などはころころ変わらないでとの声に応えるべきです。

■職員の療養休暇対策、介護離職対策も重要です。前例にとらわれない、思い切った方法で解決に向かってもらいたい。いま一部研究では在宅介護は現金給付もありうるのではというものもあると聞きました。狭い範囲で解決しようとしても無理な場合は制度全体の改革を含む大きな改革を目指すことも必要です。

■市長選の投票率は低かったとはいえ、あらわれた民意であることは間違いなく、その点は受け入れなければなりません。予算決算に徹底抗戦してきた我が方としても、不戦敗とのそしりを免れないという点の自覚もあります。市長選直後の予算や施政方針の提案は、それほど急がずともよかっただろうとも思います。何を活かし何を取り入れるか、整合性の検証を求めます。

■人と人との関係がゆらいで、社会の劣化のスピードに行政施策が追いつくのは至難の業となってきています。放射「脳」という、さげすんだ言葉をご存知でしょうか。醜い言葉です。放射能を気にしすぎだと揶揄するインターネットでいまもなお少なからず見かける言葉ですが、世の中の隠れた、マイナスの、ネガティブな傾向がここにあり、その病巣は日々根深くなっているようです。



21歳で難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した物理学者スティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた「博士と彼女のセオリー」や- ジュリアン・ムーアが「アリスのままで」(アルツハイマー病をテーマ)でアカデミー主演女優賞を獲得してからわずか20日足らずで監督・脚色を務めたリチャード・グラッツァーが奇しくもALSで63歳で亡くなられたことなどで注目を浴びた今年のアカデミー賞
47年前、アカデミー賞の放送が初めて延期されました。ある事件に配慮してのことです。放送の4日前にキング牧師が殺されたからです。アラバマ州セルマでキング牧師が行進して50年。Glory、歌曲賞を見事受賞。会場は、黒人も白人もスタンディング・オベーション。作詞作曲はジョン・スティーヴンスとロニー・リン。そのスピーチに涙を流して聞いていた会場中。
ジョンの「ニーナ・シモンは言った“時代を反映するのが歌手の仕事”映画の題材は50年前の出来事だが問題は今も変わらない。人々は今も正義を求めている。50年前に勝ち取った参政権が今米国では損なわれている。米国は人々を監視下に置く国家だ、自由と平等が損なわれている。1850年に奴隷だった黒人より今監視下にある黒人のほうが多い。Gloryをうたって行進するみんな、僕らの心は君らとともにある、god bless you!
この演説に会場は惜しみなく盛大な拍手を送るのです。


わたしたちは人間として、人間らしくもっと自由になりたい。そしてそのことを達成できるような幸福なる先進自治体へと生まれ変わっていけるよう求めると同時に議会人としてその一端を担いたい。