採決の日

 任期最後の決算審査、市長選前としても最後の総論として主張できる「討論」という意見表明の機会を使って、心残りとならないようにすべてを吐き出しておきました。

 「市長を叱れる立場」というのはそれほどないと思います。
親族を除けば、他人で「叱る」というのはどうしたって「演技で叱る」要素が出るもの。
感情をそのまま出しても受け止められる人間関係というのはやはり、親子、がいちばん、でしょう。兄弟姉妹でも気遣いが必要になるのでは。

 私が、秘書、という仕事を公務員にやらせたくないのは、もっとも市長に近い仕事でなおかつ「仕事」として給料をもらってやる仕事としては厳しいものだから。演技としてでも「叱れる」、そして「辞めさせていただきます」と言えるクールな契約関係によって結ばれていられるから。

 市長が、マウンドに立つピッチャーのように孤独に耐える仕事であることは言うまでもなく、真の理解者は自分のみ、なのかもしれません。打算による、利害による結合など、人間不信にもなろう。必要なのは、憎まれ役なのです。裸の王様にしないためには、それしかないはず。

 議会は、その意味で大変重要です。おおいに嫌われなければなりません。議会が嫌だ、と市長や職員に思われないようでは「役立たず」だということです。

 10年ほど前、前市長にはなかなか批判の声が届かなくなっていました。批判の声が聞こえなくなったら危険信号なのです。批判がないということはあり得ず、「この人に言っても無駄だな」と皆、胸の内にしまい込んでいくのです。人間とはそういうものです。私はどんなことがあっても、正面から批判をします。陰では言いません。これもわがポリシーです。いつなんどきでも、是々非々を貫くのです。


 その頃の議事録から、最近FBに載せて思い出を語った案件をここにも書いておきます。いま、この記事を掲載しておく意味は、分かる人にはわかっていただけるものと思います。答弁の部長は、その後副市長にまでなられた木村さんです。一般質問ではなく、当初予算の「思いつき質疑」でした。駅前に市制施行50周年記念の時計のモニュメントを作成、これに3000万円、という予算提案を見ての質疑です。


◯奈良 簡単に。109ページの時計のモニュメントというのは、大体3000万円ぐらいというのが相場なんでしょうか。

◯市政企画部長 駅前のモニュメントの問題でございますけれども、予算としては3000万円計上させていただきました。ただ、モニュメントだけの費用ではございませんので、工事費を含んでの3000万円ということの計上でございます。

◯奈良 いや、要するに記念事業ですから、そういったものとしてつくるものとしては、割とそれぐらいの金額がかかるものだということなんですかということと、あとは記念事業ということで、たしか市民とも協働で積み上げてきている経過があると思うんですが、そうした総枠の位置づけとしてどういったものをということも想定の上で、この予算が計上されているという理解でよろしいんですか。

◯市政企画部長 インターネットでもモニュメントがかなり各市で駅前にございます。特に昨年の9月に議員さんの方からも、駅前に時計がないではないかというご指摘もございました。その中で市長の方からも、ITのまちにふさわしい、モニュメントを兼ね備えたそういったものが必要ではないかというようなご答弁も申し上げてございます。市民からのご提案という50周年の事業と、それから行政が考えていく事業という、大きく分けて2つの展開がございますけれども、むしろITのモニュメントということは、今申し上げました今までの議会でのご答弁も1つの背景として作成していきたいというふうに考えております。

(部分抽出、以上)