文藝春秋9月号
すでに10月号が発売され、とくに塩野七生さんによる、「従軍慰安婦」朝日新聞の”告白”を越えて、は購入後すぐに読了したのですが、ほかの興味を惹く作品にたどり着く前に、議会関係の書類整理や最終日に向けた準備をしなければなりません。その仕事に集中するためにも、先日の一般質問でも紹介した文藝春秋9月号の、関心を持った文章等をここにとどめておきたいと思います。
そもそもは「春の庭」、第151回芥川賞受賞作、柴崎友香さん、を読まなければというのがありましたが、この作品はようやく決算審査を終えてから読み終えたのでした。私には盛り上がり、クライマックスシーンに今ひとつ、入り込めない感があり、でも現代に無意味に迎合した感じがないので共感のモテる部分もあった小説でした。
アベノミクス第二章起動宣言、安倍首相自らの文章、語った形、と思われますが(とくに本文には編集した旨が記載なく)、基礎知識としてインプットしておきました。
リニア新幹線-巨大地震を忘れた国家の罪。河田惠昭関西大学教授、による。これはこの雑誌には似合わず(?)リベラルな感覚の文章でした。しかし、いわゆる保守層、のなかにさえ、こうしたリニア批判は受け入れられる部分があるのだろうことを予想させるものでもあります。
議会で取り上げたのは、「私はなぜキャバクラ嬢になったのか」という対談形式の作品。
京都大学の大学院を卒業した北条かやさん、と三浦展(カルチャースタディーズ)氏の対談、で性の商品化、を潜入体験のような形で論文にした北条さんの考え方を軸に構成されています。
議会で取り上げたのは、介護職の給料を上げるべきだという主張の展開に関連して、北条さんも「福祉系」の仕事からキャバクラに流れていることを掴み、課題視している点を紹介したのでした。「感情労働」と呼ぶのですね。こうした職場は。「責任を取らなくていい」または「はなやかさ」を実感でき、なおかつ手取りが3倍、という魅力がある、と。それはそうでしょう。
議会では、若干の待遇改善の事実は把握している旨の答弁がありましたが、そうとうのコペルニクス的転回でもないかぎり、福祉現場が高待遇、にはなりにくい構図があります。
ほかにもこの号には読むべき価値があるのがありましたが、ページをめくって読んだ気持ちになってとりあえず恍惚感を得ておきました。これ以上は、議会の準備その他へ食い込んでしまいそうなので。そんなところでしょうなあ。