特定秘密保護法についてのパブコメ

昨日締め切りの「特定秘密保護法についてのパブリックコメント」、インターネットのフォームから送りました。

内容は以下の通り。

特定秘密保護法パブリックコメントについて

1、アルジェリアの事件(2013年、日揮のプラントで人質が拘束された)が法制定の引き金になっているように感じられるが、そもそもアルジェリアの事件の解決に際し、なにが障害となり、そして秘密の保護が明確になっていなかったことでどのような不都合があったのかさえ明らかにされない。スタートから法提案側と国民が共通の認識に立つことが不可能なままで信頼性に欠ける。

2、「この法律によって、秘密の保護に関する全省庁共通のルールが明確に定められます」とあるが、指定される秘密の範囲やその具体的適用については共通のルールが全体に徹底するとは安易に納得しがたい。したがって、その危険性を隠ぺいするようなこのような表記であたかも万全になるとの印象を与えることがかえって危険性を持っていると言えるのではないか。

3、秘密指定の要件明確化、外部有識者や国会の関与で「秘密の取り扱いに客観性と透明性が高まります」とあるが、これまでの議論ですら見解の相違が露呈しており国論を二分する状況であるのに、なにをもって「客観性」と言えるのか。法制定および執行側の主観性を反映したうえでの「客観性」でしかない。透明性、も然り。

4、各種適正評価と人権、個人情報保護との関係性について、重要な問題という認識が欠落している。第三者機関、を構成する者たちの適正についても同様。「広く国民が処罰の対象に」はならない、としているが、それは直接的にこの法律によっては処罰されないという意味であり、その他の法律等で処罰する可能性についての言及はない。そのことも問題。

5、総じて、危機管理上で必要なのは当該法的整備ではなく、民意をきちんと反映できる民主主義のシステムのより一層の向上にほかならない。現状の政治システムにそれを期待できないことが国家のあらゆる執行機関への信頼を喪失している。急がれるのは「秘密保護」ではなく、国民主権に基づく信頼性ある政治の確立以外にはない。