今日は大暑

niginigi32014-07-23

 昨日、関東地方は予想通り?梅雨明けで、気温は30度を超えて暑い一日となりました。そして今日は大暑。暦の上ではあと半月すれば立秋を迎えます。夏本番、各地で行事も盛んにおこなわれて、賑わいを見せているようです。一方、世界では、ガザでの戦闘が続き、停戦を求める国際世論と外交努力がどのように展開するかや、マレーシア航空機の撃墜その後のロシアの動向など、険しい情勢が伝えられる日々となっています。戦争と平和について考える機会の多くなる夏、過去の問題にとどまらず現在の問題として考えなければなりません。

 7月4日の厚労省の人事異動が話題に上っているのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革と連動するからにほかなりません。世界最大130兆円の年金基金を株式運用したい政権の思惑。谷内繁理財局総務課長が厚労省に送り込まれた、という情報や留任したのが村木厚子次官と香取照幸年金局長の2人だけだった、などが報じられています。GPIFの国内株式運用比率を12%から20%に引き上げると10兆円以上の資金が株式市場に流れ込むことになる、といわれ、株価上昇に期待する経済界は総力で後押しすると見込まれます。しかし、年金制度そのものの安定、将来世代への受給確立、などの課題は未解決のまま。ここでもまた、マネー資本主義、株主優先の奇形化した経済原則、に従い、一般には給付抑制を強いるという、二極化拡大政策が推進されようとしていると言えます。反論があるでしょうか。

 とにかく、日本の市場は、資金をかき集めているようです(画像は、7/11日経新聞の一面トップ記事「個人向け金融商品の代表である投資信託への資金流入が続き、資産残高が7年ぶりに最高となった。日本株の値動きがさえない中でも、新たな個人マネーが安定的に投資に向かう流れが定着。長引く低金利下で少しでも高い運用収益を稼ぎたいという投資ニーズは強まっている」←引用)。今朝の報道でも「政府は高齢者に偏る金融資産の子や孫への移転を促す。祖父母が孫に教育資金を贈った場合、1500万円まで贈与税がかからない制度を延長する。2015年末としていた期
限を2〜3年延ばす。非課税対象のお金の使い道を、子育てなど教育以外に広げることも検討する。少額投資非課税制度(NISA)では16年にも子ども版を創設する。約1000兆円の高齢者の金融資産が消費や投資に回れば、日本経済の活性化にもつながる」と伝えられました。

 たしかに日本の二極化を象徴する個人金融資産(3月末で1630兆円、出典は日銀資金循環統計http://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf)のうち865兆円(53%)は現金・預金でこれを経済的な循環に向かわせたいということは間違いではないと私も思います。しかし、個人の利益を個人に還元するだけの誘導策は、社会的な問題の解消に貢献する度合いは少ないわけで、結局は税収増の政策を別途構築しなければならなくなります。個人の利益を刺激することが続けられれば、当然それに慣らされていくため、増税への抵抗感が強くなるでしょう。これでは弱者への切り捨ては進みます。

 弱者への負担増と富裕層の拡大という形で現れる、国内の矛盾の拡大、不満の増大、を外に向ける政策(これはどの国でも行っていることですが)として、近隣諸国との緊張関係は「利用」されています。昨今の政権の、しゃにむに強引に進めている政策は、私にはこうした情勢の上に成り立っているもので、すべて連動し関連していると思えます。

 別の報道では、安倍政権誕生時のアベノミクスとよぶ経済政策の考案に貢献した浜田宏一氏ですら最近は疎んじられているとも。

 猛暑の時期に入りますが、頭の働きが鈍くなるその隙に、政権のチェック機能が働かないままあれやこれやと布石が打たれているようで恐ろしい思いです。