タイピスト!

niginigi32014-06-19

 先日、映画.comシネマ、で取り急ぎ、「ポンヌフの恋人」「タイピスト!」の仏映画2本、観てきました。5400円で年会費を払い、責任を形にしようとした手前、一回も見ていないなどというのはまずい。ぜひ、関係各位は、これまでの経緯はいろいろあれど(このビルの整備方針その他への異議など)、映画文化の一端を、批判しつつ支えつつ、でいくべきではないか。ということで。

 とくに「タイピスト!」は、私にとってはちょっと意外なかんじがするフランス映画でした。余談ながら、私の父が若いころ造船不況で倒産したあおりで相当その後の人生において苦労をした、のですが、倒産時に職場から持ってきたというタイプライターは、私の子どものころのおもちゃ。真剣に学んでおればまた違った人生だったかもしれないですが、おもちゃとして、キーの位置くらいまでしか覚えずじまいでした。

 アメリカの文化に慣れすぎている方々は、たまにはヨーロッパ文化に触れてみるのもよいのではないでしょうか。「タイピスト!」も、ウイットに富んだユーモアは十分感性を刺激してくれました。とかく読書などでは仕事脳から解放されにくい私、つい仕事と関連付けてしまいがちな習性を、しばし忘れさせられ、血液がすっきり浄化された感じでした。

 手軽に、自宅で、DVDが楽しめる時代に、映画館で映画を観賞するというのは、シネコンでアナ…を観るような場合を除いて、ちょっとしたこだわりがないとあえて時間を割きにくいのが現代ではないでしょうか。自宅で鑑賞する際は、途中で映像を一時停止してトイレ、おやつ、なんてこともできてしまう。来客があったりしたら、またあとで見よう、なんてことも。便利だ。

 大勢が楽しむ機会を得たという意味では、これは画期的なことと言えるとは思いますが、いっぽうで映画作成を、その担い手たちを、しっかり支えるという意味では、劇場で、大勢で、同時に、ささやかな笑い声や気を使った咳払い、そうした生身の人間の接触の中で、鑑賞する価値もまた、大切にしていくことをもっと訴えてもよいのではないでしょうか。

 控室「同居人」に、ひとしきり上記のような演説をぶって、年会費を払いなさいとあいかわらず説教をたれていたのは今日、委員会の放送を傍聴したあとの話。5400円も払うと、もとをとるため、10回は映画意を見に行くことになるし、そうなると、改善点もいろいろ見えてくるというものです。傍観者でいる限りはなにごとも前には進ませられません。当事者になろうとするかどうか。そこがカギです。おせっかいなおじさんおばさん、は一般論としていい話、にとどめることに何の意味も価値もありません、ようするに、あなたがわたしが、おせっかいな役を担っていく決断をすることから始まるのですから。

 
 なお、最近シネコンで観たものは「マンデラ 自由への長い道」です。これを観ないわけにはいきません。