もう3月?
大雪に見舞われたせいなのか今年の2月は例年でも「逃げる」ように早いのに加えてなお一層早く過ぎてしまった気がします。
昨日は、
世界に貢献する日本の食と農〜ミラノ万博を通じた、 食料問題など地球規模の課題に対する取り組み
という日本経済新聞社主催のシンポジウムに応募して参加がかない(これまで何度も応募したが今回初めて抽選に漏れなかった)、大手町の経団連会館まで出かけてきました。プログラムはブログ後半に記しておきます。
特徴は、8億の世界の飢餓をどうするかを真剣に考えようという姿勢。和食文化をどのように世界に広めるか。これについて、提案者やパネラーの問題意識が高く、参加者を満足させる内容であったこと。無論、個人的には食の安全をテーマにする以上、放射能汚染問題は避けて通れない問題ですが、そこは主催関係者と国内的国際的力関係がそれを語ることをまだ許していないということも分かりました。しかし、一方で、万博の主題が世界的な平和を築き上げていくことに直結するテーマを選ぼうとしているところは、いまの血迷った(失礼)政府の一部の動向を見るにつけ、その対極をなそうとしているものとして好感を持って受け入れたいと思います。
主題や発言の内容からすると、すでに日本経済新聞社や会場となった経団連の意向とは全く相いれないのでは(そうでないとするとそれは歓迎すべきことではあるが)と思う部分も多々あったのですが、多様な意見を認める風潮があるとすればそれは言論封殺を許さないという姿勢の表れとして讃えてよいでしょう。
発言では多くの方々の意見にうなずいていた私ですがやはり小浜市の市長の話は行政施策に絡むのでより共感できました。食材に感謝する気持ちを持つ教育の実践として、子どもたちは小学生のうちから魚をさばくらしい。命をいただいているということの大切さを知り、ありがとうと言えるようになる、とおっしゃってました。
人口3万人規模の自治体、でありますが日本の文化を守り育てようという志を感じたところです。
そのほか、日本の器はただものをのせるだけではない、食材を美しく見せるためのものでもある、それも文化、と語りそれをいかに世界に広めるかを考えている備前焼の大家の藤原氏の問題提起も感銘を受けました。
その他事例紹介ではコウノトリが育つように水田を整備する豊岡市、「魚のゆりかご水田米」の滋賀県(http://shigaquo.jp/cradle/)など、全国にはグローバル化の流れの中でも必死に食と農を真剣に考えて守り発展させようとしている努力があることを伝えていました。
飽食と飢餓という、世界的テーマが投げかけられてその回答にはいまだ至らず。自治体の奮闘が報われるような万国博覧会になることを期待したいと思います(もとは食料の世界展覧会のようなものが現代万博の始まり、だったらしいという話もここで聞きました)。
◆◇◆◇プログラム◆◇◆◇
14:00 受付開始
14:30〜14:40 主催者挨拶
松島 みどり(経済産業副大臣)
皆川 芳嗣(農林水産事務次官、農林水産省ミラノ国際博覧会チャレンジ本部長)
14:40〜14:50 イタリア政府挨拶
ロレンツォ・モリーニ 氏 (駐日イタリア大使館公使)
14:50〜15:00 基調講演 「ミラノ万博日本館の出展目的と概要」
加藤 辰也(2015年ミラノ国際博覧会 陳列区域日本政府代表)
15:00〜15:15 特別講演? 「国際博覧会を通じた、地球的課題解決」
中村 利雄 氏
(元2005年日本国際博覧会協会事務総長、日本商工会議所・東京商工会議所 専務理事)
15:15〜15:30 特別講演? 「世界の多様な農業の共存に向けた取り組み」
大西 茂志 氏
(全国農業協同組合中央会(JA全中)常務理事、JA全中ミラノ国際博覧会担当理事)
15:30〜15:40 休憩
15:40〜17:10 パネルディスカッション
パネリスト(50音順)
・秋岡 榮子 氏(フリープロデューサー)
・生駒 芳子 氏(ファッションジャーナリスト)
・柴田 明夫 氏(資源・食料問題研究所 代表)
・藤原 和 氏(備前焼陶芸作家)
・松崎 晃治 氏(福井県 小浜市 市長)
・マリオ・フリットリ 氏(『Mario i sentieri』オーナーシェフ)
モデレーター
・彦坂 裕 氏(2015年ミラノ国際博覧会日本館基本計画策定委員会座長)