第9回地域医療政策セミナー

niginigi32013-11-01

 長崎の済生会病院は全室個室、という話には驚きました。

 全国自治体病院経営都市議会協議会の主催する第9回地域医療政策セミナーの一人目の講師は荒木信生氏。「社会環境の変化を見据えた病院建設と運営=全室個室の病院が意味するもの=」と題して1時間半。非常に興味深い話でした。やり手の経営者という感じでおそらくいただいた資料からすると、4時間以上は伝えたい内容がありそうです。医療「業界」の常識と戦う意欲は、私としては「買い」、です。済生会の理念である、無料定額診療にはこだわりを持ち、特別室4000円も含めて、支払えない減免分を行政に求めず7000万円は持ち出し、だということでした。

 病院建設に至る経過や課題など、わが厚木市でも現在進行形の話であり、地域的な条件の違いを理解したうえでではありますが参考になります。

 二人目の話もまた別の意味で面白いものでした。この研修会は自治医大系から講師を招くことが多いので、一定の傾向を感じますが、今回も阿波谷敏英氏高知大医学部教授の講演「地域医療と自治体病院」でした。疑問意識として「そもそも本当に地域のことを考える医療者を養成してきたのか」というものを提起し、ウルトラマン型地域医療(ウルトラマン一人が圧倒的に力がある、燃え尽きて帰っていく、など)ではなくアンパンマン型地域医療(地域住民と等身大、大技がないが環境にも優しい、など)がよい、などと独特の語り口でこちらも1時間半、話されました。

 この企画は毎年この時期に行われだいたい400人の地方議員らが集まりますが、毎回内容が素晴らしい。参加費無料でこの内容とは。

 厚木市議会からも多数参加していました。