攻防

 市議会議員の任期4年の折り返し点が近くなっています。すでに今日の一般質問を終えて、登壇の機会という意味ではお役目を半分終えたことになります。

 議会報告会では、議会に対して温かいながらも厳しい視線が送られ続け、なれあい議会との叱責を受けたくない私としては苦悩の日々を送ります。議会は議員28人で構成されているもののその28人がそれぞれ1人1票をもち、様々な立場を代表する合議体なので、必ずしもまとまるとは限りません。議会改革も、なされる「改革」が実質的に各々の政治主張に沿うかどうか、にかかっており、最終的には全会一致を目指すか多数決で決めるかで異なってくるでしょう。表面的な、大衆迎合的改革は、人々の不満を一時的に解消するだけの一服の清涼剤に過ぎず、私は基本的に賛成するつもりはありません。最後まで本来どうあるべきかで筋を通して生きていきたいと考えています。

 さて、なれあい議会と言われない議会になっているかどうか。一般質問が、どういう形の攻防になっているかをみたとき、本会議場での50分をどう活用しているかは議員のそれぞれの信条、立場によって随分異なります。私は毎回、議会だよりを見ていただいている市民にきちんと問題提起をするための質問を織り交ぜて、市民協働、自治力の向上をどんなに時間がかかろうとも実現していこうとしています。わずかながらのあの数行を、きちんと見ていただいている方に、訴えかけているのです。

 そして、それにくわえて持論展開を入れて行政の体質そのもの、構造の問題に切り込もうとしています。もちろんすぐに検討しますと言われることを期待してのものではありません。議員も4期を超えたならば、政策を提案して検討させたり実行させたりのためにわざわざ本会議を使うのはどうなのでしょう。それは若手の議員に、成果を譲る意味でも、任せていったほうがいいはず。さらに言うならば、わざわざ本会議で取り上げないと行政へのプレッシャーにはならないという体質そのものに問題はないのか。それを是認していることじたい、行政主導の肯定ではないのか、という疑問が湧いてくるのです。


 私も、質問が不十分の時もあるし、自ら納得がいかない、または聴衆にとってよく理解できない問題を取り上げている時もあるでしょう。しかし他人の評価はともかく、最終的には議員個々の信念に委ねられた問題、責任も全て本人が負うしかありません。その覚悟で戦った質問は、それがそのときの全力投球であることには違いなく、結果を毎回受け止めて前進向上を目指していくことになります。


 この議会以降、すでに次期市長選を巡る水面下での攻防が激しくなる予感がします。金田地区、ごみの中間処理施設の建設の是非をめぐって、陳情がどうなろうとも、火種がきちんと消えるような対策を打てる状況にはありそうもないという懸念があります。そのことに無自覚ではいられない、そういう夏をまもなく迎えようとしています。

 
中身がいま一つの答弁の数々を聞きながらも、随所に政治的判断のニオイがぷんぷんするのを厭味に感じながら、19人、自分を除く18人の一般質問を拝聴していたのでした。