木曽路

中津川市で見た自衛隊募集ポスター

人生で初めて足を踏み入れた木曽路。昨日の小水力発電サミットの現地視察で馬籠宿を訪ねてのことですが、実は岐阜県は小水力の最も適地、だとされていますが、基本的な行政の姿勢は観光重視だということです。

山間地対策、過疎化、高齢化対策を兼ねての雇用対策として、の小水力で、エネルギー問題だけから政策発動されたわけではないのでした。

昨日の分科会で、建設会社で働く人から「一年間歩いて小水力発電の適地を探した。太陽光と違い小水力はメンテナンス・フリーというわけにはいかず採算性を考えると買い取りされても難しいというケースが多い」との問題提起がありました。


これに対してコーディネーターは「維持管理が必要ということは建設後も雇用が必要になるということです」と答えました。


私はこの視点は大切だと思います。会場からは「小水力それ自体が雇用を生み出す、というぶら下がるような形は良くないのでは」との意見も出ましたが、今は地域経済にとっての有効策を見出だすことが大変、やはり歴史的(経済構造の)転換期という過渡的段階には理想そのものだけではうまくない、そういうことではないでしょうか。

だから観光とセットの、経済効果を考慮に入れた、小水力なのです。木曽路にたくさん人が訪れてくれるように、必死に智恵を出し取り組むわけです。(ちなみにそのせいか彼らはけっして中部電力と対立関係にはならないように配慮しながら展開しているようでした)
地元雇用は大変なのでしょう、至る所で自衛官募集の広告が目に入ります。原子力に依存しないエネルギー政策のためにも、雇用の構造転換は急がれます。とくにエネルギー供給地、過疎地では重要です。エネルギー消費地ではわかりにくい感覚かもしれませんが。


ところで一生のうちに日本国内の名所にはどれだけ訪れることができるのでしょうか。けっこう行けない場所が多いのでは、と思います。実際、朝日新聞の土曜版、の特集で「歩きたい日本の道」というランキングが記事になっていて、デジタル版ウェブサイトアンケートという限定だが、ベスト20に木曽路は入っていませんでした。哲学の道オランダ坂角館町武家屋敷通り、札幌大通山下公園通りなどと続きます。私は半分以上行ったことがありません。


観光、という政策分野とは、大変難しいものと認識をあらためた次第です。所得向上と余暇制度(制度?習慣かな)拡充、などが前提となればとは思いますが。