市民防災研修会参加

niginigi32013-01-19

 市民防災研修会に参加した後、ヤングコミュニティセンターで開催中の「第3回パクパク学校給食展」にも伺ってまいりました(画像はその給食展)。

 防災研修会は、受け止めるべき内容を示唆されるものでした。主催者側がどれだけ講演内容を主体的に受け止めているのかこそが問われていると言えます。

 元長崎県警察本部長の石附弘氏は、「掘り下げて、自分の頭で考える」ことの大切さを説きます。その通りだなあと思うわけですが、とくに、議会でやり取りをしていますと、行政職員というものは、その組織的な役割を担わされていることを過大に解釈しすぎているからか、「自分の頭で考える」ことを必要以上に抑制しているように思えてなりません。警察という、極めて序列社会の象徴のようなところを経験している石附氏が、こうした視点を持っていることは私には正直なところ、恐れ入りました。

 長崎県での普賢岳噴火の対応で危機管理を真剣に考える位置にあったことがそうした視点を育んだとも言えるかもしれません。後藤田官房長官時代に秘書官を務めた同氏が、「脅しの防災教育」から「恩恵と畏敬」の教育へ、といい、現代における教育の形式主義的な防災教育への警鐘を鳴らしていることもある意味で衝撃もあります。

 (津波に対する)安全意識の風化、という点では、
1、防波堤等施設への過剰依存心(ハードへの依存心)
2、ハザードマップでは、津波は来ない(思い込み)
3、津波情報までは避難しない(避難行動の遅れ)
4、自分だけは大丈夫(正常化の偏見)
5、自主防災組織率も低い(共助安全活力の欠如)
6、防災講演に来るのは常連だけ(地域コミュニティ全体の防災力の低下)
7、教員の防災知識不足(内陸部の先生の意識や知識の低さ)
8、津波教材の不足(教育現場の指導能力や教材の不足)

 という項目を示されました。なるほどと思わざるをえません。

 子どもを通じて、安全意識の教育の必要性を問いかける工夫の必要性も示されました。子どもたちにアンケートをして、「あなたがひとりでおうちにいるときも地震が来ました。どうしますか」と問うと、「おかあさんに電話する」というのだそうです。この答えを母親が知ると、これは大変、と思う人とそうでない人と分かれるそうですが、たしかに、ホントに、真剣にどこまで考えていたのかと自省させられます。てんでんこ、という言葉は知っていても、それを実践することを怠っていました。それではいけないのです。今日も、普段できないことはいざという時にもできないのだという趣旨を述べられました。どうしても人間は、危機管理を他人事にしたがるものだということを自覚します。

 学校関係者が本日どれだけ来ていたか、どれだけ一般市民の参加を本気で呼びかけていたかを問うていた自分自身にも、こうした至らなさがあることを知ることもあるわけです。だからこそ、自分の課題も自覚しつつ、ともに課題を克服しようとあらゆることに厳しく、叱責をし妥協せずに、問いかけ続けたいのです。子どもたちに犠牲が及ぶことがないように、というのは私たち大人の日頃の心がけ次第であるというのはけっして間違いではないと思います。

 今日はこの講演会には議員も多数参加をしていました。みな来年度の予算への反映、各事業への反映を頭で描いていたことでしょう。2月議会も近くなり、おおいに期待していきたい分野です。

■学校給食展
 学校給食展では、多くの子どもたちが参加をしていましたが、21名の神奈川工科大学の生徒さんたちがボランティアで企画のサポートをしてくれていました。こうした取り組みは貴重だとは思いますが、もう少し、グレードアップをしてみたらどうかとの思いもあります。

 楽しめる企画もありますが、硬派の、大人向けの、課題提起のコーナーも欲しいと思うわけで。せっかく放射能の測定をしているのに、まったくそのことが位置づけにないのもどうしてなんだろう。

 どうしてでしょう。