自殺対策のこと

 数日前に、以下のような記事を見ました(時事通信)。

 2011年度に自殺した小中高校生は前年度比44人増の200人に上り、過去25年間で最悪だったことが11日、文部科学省の問題行動調査で分かった。うち、いじめが原因だったのは中学生の4人だった。同省は詳細を明らかにしていないが、昨年自殺した大津市の中2男子=当時(13)=、熊本県八代市の中3男子=同(14)=については、担当する教育委員会がいじめが原因と報告したとしている。
 
 半数以上の115人は、自殺の理由が不明だった。同省児童生徒課は「不明の中にいじめが含まれているか分からないが、学校の報告からはいじめによる自殺が増えたとは言えない」としている。

 警察庁の統計では、11年中に自殺した小中高生は353人。集計時期が異なるものの、150人以上の開きがある。同省によると、学校が警察から詳細を知らされなかったり、事故死にしてほしいと望む遺族に配慮して自殺にカウントしなかったりしたケースがあるためという。

 学校別では、高校が前年度比45人増の157人で最も多く、続いて中学が4人減の39人、小学校が3人増の4人だった。

 自殺の理由(複数回答)で最も多かったのは「不明」で、57.5%を占めた。「普段の様子と変わらない」「悩みを抱えている様子も見られなかった」などの回答が多く、小中は7割以上が不明だった。ほかに多かったのは、父母らの叱責(24人)、進路問題(20人)など。

 実態の詳細な調査と、具体的な対策を、そのためになら税金を投じても惜しくはないでしょう。

追記。
 さらに、以下のような記事も。引用します。

  文部科学省は13日、全国の小中高校を対象に毎年実施する「問題行動調査」で、子供の自殺件数の統計を来年の調査から中止することを決めた。遺族の意向などで学校が教育委員会に報告しないケースがあり、実態が反映されていないと判断した。今後は各校が実施する実態調査をもとに、医師や弁護士で構成する省内の有識者会議で予防策を検討する。

 文科省が11日に公表した調査結果では自殺した人数を200人(11年度)としたが、警察庁の統計では353人(11年1〜12月)となっており、乖離(かいり)が指摘されていた。

 文科省は昨年6月、自殺した児童生徒の置かれていた状況について、約1カ月後をめどに実態調査をするよう各教委に求めていた。

 
 事故死、ということにするケースなどが学校現場ではあると思います。それは、児童生徒の環境を考えれば当然のことです。かい離の原因はそうしたことによるでしょう。

 ただ、文科省が役所である以上、調査をやめると、同時に関心も薄れるという可能性が否定できないという悲しい現実をご存知でしょうか。一つ仕事が減っただけ、というようなことにつながりかねず、私は、教育委員会の把握と警察の把握のかい離に問題を感じていませんから、調査は継続していただきたいという考えです。