危険な宇宙戦略室

niginigi32012-07-31

画像は29日付日経朝刊17面の一部。12日に港区のビルの一室に「内閣府宇宙戦略室」の新しい看板がかかったことが記事になっています。

元宇宙飛行士の山崎直子さんが「宇宙政策委員会」に入っています。総勢7人。今日、第1回の会合が開かれ、委員長には葛西敬之JR東海会長がついたと報じられました。

みなさん、原発事故問題で東電を叩くことはなさいます。たしかに、東電の体質は問題ですし、直接的な責任を果たすことを求めるのは第一義的に重要ですが、東電一人を悪者にし、責任も負わずうまみだけを得ようという経済界には全くおとがめなしでよろしいのでしょうか。事故の責任を問うことは難しいまでも、原発の再稼働を陰に陽に求める、あるいは圧力をかけるというのは極めて悪質に思えます。

私は、宇宙に目を向けた投資自体は必要だということをここでも何度も申し上げています。そのことは今もなお変わっていませんが、現内閣の下での「宇宙戦略室」立ち上げには疑問があります。それは言うまでもなく原発推進のままであることが大きいです。しかも、今回の政策委員会の委員長には、リニア推進の当事者である葛西敬之JR東海会長であるとは、まるでケンカを売られているようです。開発優先思考の、しかも自身きわめて国家主義的思想を隠さずに喧伝する御仁である葛西氏に音頭を取らせるとは、ひどい話です。

元宇宙飛行士の山崎さんなどはうまく使われてしまうのでしょうか。残念でなりません。宇宙にかける思いを、政治的に利用するなどということは、天文好きの私には許されるものではなく、ひとこと書き記しておきたかったということでした。

なお、ほかにもたとえば私は納税者番号制については必要であろうという考えですが、現政権の消費税増税一本やりの路線の下で同時に行われることには明確に反対したいと思います。たとえ個別の政策にその価値があったとしても、全体の中で果たす役割が間違いであるならばその個別政策も推進はすべきでありません。どちらが主でどちらが従か。きちんと見極めないと、個別政策の良さに引きずられて、全体政策の「悪」を容認させられることになります。

51歳を迎えて、皆様へ。