二元代表制

niginigi32012-02-23

 議会会議場などがある、言ってみれば「議会棟」は市役所の5階にありますが、そのロビーの奥に議会の図書室があります。とても狭く、市民に開かれた議会を保証するための物理的環境に乏しい状態です。その一室にあるコピー機の前に、貼られているのが今日の一枚、管財課の厳しいチェックです(10月末段階で72%の執行率、このままだと予算が足らなくなるということが書かれています)。

 規定枚数をこの時点ではそろそろ超えそうだという警告ですが、年度末が近い今では厳密にいえば予定利用数を超えているというもの。ではありますが、そもそも毎年毎年、予算では必然的に、自動的に10%カットが前提での予算要求を強いられているという、つまりもとから予算流用を覚悟しなければならないという状態から4月を迎えるという、極めて精神衛生上よろしくないこととなるわけです。さらに流用は基本的に認めないなど言う念押しもされているので、なんか悪いことを隠れてやらなければならないようなそんな気持ちにされてしまうのではないかというのが私の懸念。昨年12月議会でも触れましたが、昨年夏の再生エネルギーの専門的な検討委員会の立ち上げも、流用で開始され、財政が厳しいとはいえ原則の逸脱を感じたわけです。

 昨年3月11日以降の国によるしめつけは地域主権と全く逆行する、負担増の押しつけの連続です。みんな震災復興などがいいように口実に使われ、それを持ち出されると文句が言えない、そんな心理をずる賢く突かれています。厚木市のような不交付団体はもはや全国的に珍しく、今日の私の質疑でも明らかなように、不交付団体でいられることのメリットは全く感じることができない状態です。であるにもかかわらず、臨時財政対策債は制約を受けてしまう。おかしな話です。今まで野放図に「借りさせておいて」、本当に厳しくなったら「貸さない」。地方自治体がどれだけ苦労を重ねてきたのか、国は全く理解していないのです。

 そんな状況下、42億円も歳入不足があるとして、さらに相当の削減方針をとった新年度予算編成、元気元気と言う言葉とは裏腹に、元気を喪失しかねない予算となっています。

 冷静に予算を鳥瞰すれば、あれだけしょっちゅう言われた「選択と集中」のフレーズも影をひそめるほど、選択の余地もなく、つまりは残っている政策は「珠」、のほうであることは確かです。が、財源確保ができない以上、なにをやるかはいまこそ「選択と集中」でしょう。

 来週からの一般質問は、予算、新規事業などに絡んだ質問が多くなるでしょう。議会が、その本来の役目を果たすうえでは貴重なやり取りとなります。このところ議会傍聴者も多い議会、5月には初めての議会報告会が予定されてもいて、二元代表制を有効に機能させようということにも取り組み始めました。いいことだと思います。私もその中で、自らの殻を破ろうとしながら毎日試行錯誤しています。

 議会のコピー機使用の制約をおとなしく従えるのは、二元代表制の危機に対して楽観しているからにほかならないであろう。