厚木市、測定機購入へ

 本会議最終日、すべての議案、陳情の採決の後、市長が発言。こどもの食の安全のために、放射線対策を求める内容の陳情2件が賛成全員で趣旨採択されたことを受け、厚木市が独自に測定機を購入する意思を示しました。これまで一般質問や陳情審査では、神奈川県が購入する予定の測定器を入手するよう交渉することとしていたことからすると、厚木市の姿勢が一歩前進したと受け止めてよいものと思います。

 当たり前のこととはいえ、公式な発言には出てこないまでも末端地方公共団体地方自治体の職員の中には国がきちんと方針を示さないことに怒りを持っている人も必ずいるはずです。しかし、それは表に絶対出されません。私はここがこの問題の本質に近いと考えています。
 たとえば被災地に義捐金がなぜすぐに届かないのかという問題もありました。地域主権をめざすなどとされていた政権が、すこしでもその信念に基づく政治を行う意思があるのであれば、早期に、まっさきに現地に支援のお金が届くようにあらゆる手段を講じて行ったはずです。補正予算の成立にもたもたし、復興のためにさえ増税をするなどと言って金を出し渋った。日本の立て直しのために、もはや何十年かかろうと、子どもの世代も含めて頑張って建てなおそうという覚悟が問われているのに、直面する問題から逃げ続けてきました。子どもの世代につけを残さないなどというのはもう無理なんです。原発事故を起こしてしまったんですから、もう私たち親の世代は、申し訳ないけれど、子どもたちと一緒に、あるいはわれわれの死後は彼らに任せて、日本の修復をお願いしなければならないはずなのです。

 ところが、国にきちんと子どもたちに謝る誠意がない。自分たちが悪いわけではないと、責任を回避する態度が全面に出ています。
 これでは、地方自治体としても頭にくるのは当然です。ところが、それをまた、覆すだけの地方のパワーが不足しています。地方のパワーというと、首長の個性に依存することとイコールになっているのが現状です。おそらく今はどこの自治体でも「市民協働」といわれているとは思いますが、協働のパワーで国を揺るがすことができていくかどうか。課題です。

 地域住民と、地方自治体は同じ目線で、地域を守る、子どもを守るために協働していく必要があります。その意味で、市長の決断を市民は歓迎して受け入れることと思います。