都留市視察報告(続き)

niginigi32011-11-01

 都留市の小水力市民発電所について、資料などをもとに補足をしておきます。
発電所の建設されている家中川(かちゅうがわ)は寛永16年(西暦1639年)に開削された。富士の裾野の傾斜があり流れが急で動力源の確保に最適。穀物の精米・製粉などに利用、絹織物生産の動力源としても使われた。
明治36年、谷村電燈株式会社が創立、明治38年三の丸において家中川の落差を利用した出力70キロワットの谷村発電所が完成、谷村町と十日市場に電灯1200個をともすことになった。これが水力発電のおこり。
■行政の取り組みは新エネルギービジョンなどを策定(これはおそらく多くの自治体が取り組んでいたと思われる)、さらに都留市では都留水エネルギー研究会が立ちあがり、また信州大学の教授が中心となって谷村工業高校の生徒を交えてマイクロ水力発電の実験が行われた。このような取組が進められた結果として家中川小水力市民発電所の建設へと至った。
■元気くん1号
 水系・河川名 相模川水系桂川 家中川
 使用水量 最大2.0立米/秒、常時0.77立米/秒
 発電方式 水路式(バイパス水路を設けて建設)
 有効落差 最大2.0メートル
 出力 最大20キロワット
 稼働開始 平成18年4月6日
 ドイツ・ハイドロワット社製、開放型下掛け水車。永久磁石式、三相同期発電機。逆洗浄式除塵装置。
 NEDO補助金 15,166,000円
 市民公募債 17,000,000円
 一般財源 11,208,450円
■元気くん2号
 水系・河川名 相模川水系桂川 家中川
 使用水量 最大0.99立米/秒、常時0.21立米/秒
 発電方式 流れ込み式
 有効落差 最大3.5メートル
 出力 最大19キロワット
 稼働開始 平成22年5月24日
 ドイツ・ハイドロワット社製、開放型上掛け水車。かご型三相誘導発電機。閉塞用制水門(油圧式自動開ゲート)
 NEDO、NEPC、GIAC補助金 32,338,475円
 市民公募債 23,600,000円
 一般財源 6,380,075円
■市民公募債=つるのおんがえし債