自治基本条例修正協議始まる

niginigi32010-10-08

 今日は、午前9時より総務企画常任委員会の協議会が開かれ、5日の本会議最終日に継続審査となった自治基本条例修正の方向性について協議を行いました。
 また、午後からは都内で開かれた地域医療再生研究セミナー「公立病院改革プランの実施状況と評価」という企画に参加しました(写真はその際の資料です)。概要は後述します。

 まずは、自治基本条例の修正ですが、私はさまざまな先進例をこの間参照し考えをまとめて会議に臨みました。正直言って、さまざまな取り組みがあることと、そしてそれを居ながらにして情報収集できることに時代を感じました。間接民主制を補完する意味での直接民主制度の充実は従来からの関心事ですが、かつては住民投票に否定的な議会も多かったのです。情報公開も同様です。地方分権とか地域主権というのが当たり前になり、情報公開も進んだ今は、先進例に学ぶことが容易になり、改革のスピードも上がり、というぐあいになってきているのでしょう。

 各自治体の議論の過程で参考になるのは、議会の修正に対する当局の対応で、議会側の修正を受け入れて原案を手直しするという過程を経たものもあります。原案のたたき台を市民主導で行った自治体もかなりありますが(厚木市も同様)、提言を行政に渡して以降の行政の市民へのフィードバックには差があります。さかんに住民説明会をやって原案を膨らませるプロセスを重視した自治体もあります。時間をかけすぎてもならない、ということはあったとしても自治体の最高規範として位置づけるのならば、こうした過程は私は大切にしていくほうが趣旨にかなっていると思います。

 市民の定義や言葉の使い方など、原案の「修正」の範囲に収まるように考慮しながら協議を進めています。当然各委員にはそれぞれが描くもっとこうしたらいいのにという「最善の」案も思い浮かぶわけですが、おおもとのたたき台を出された市民会議の方々の思いの部分まで修正をかけることはできません。むしろ、正確にその思いが反映されるようにという視点での修正になるべきですから。

 

  • 地域医療再生研究セミナー

 新日本有限責任監査法人と東日本税理士法人による共同企画でした。案内があったので申し込んだ(無料)もので、100人ほどの全国の地方議員が参加していました。
 主体が示すように、これは現在の総務省のプランに沿って、つまり肯定しているという前提で「公立病院をどう改革するか」というものです。大前提じたいを検証するというものではありません。したがって、経営の効率化の話が主なものでした。効率化に主眼があるとどうしても民営化の流れになるし、主催者の立場からしてもおそらくはそこへの誘導は利害が一致するのだとは思います。
 という前提は前提として、しかしながら報告された内容は大変参考になるものでした。基調講演をされた長崎県病院企業長の矢野右人氏は離島が最も多い長崎県での医療崩壊を防ぐためにやむなく統廃合をしてきた実力者であるようですが、たしかに安易な統廃合ではなく離島住民にとって医療が保証されるように対案を持ちながら進めていった話は興味深いものでした。病院や医師の数だけではなく、400床を超える大規模な病院の集積がどうなっているか(偏在している)という検証も参考になりました。医師が、どういう医療機関を望んでいるかを把握、理解しないといくら立派な病院を建設しても医師は集まらないという示唆です。
 また、別の講師2名による講演からは経営上の数値の見方などの事例発表があり、人件費、材料費、光熱費などの(細かい話ですが)どういう割合だと赤字を減少させられるかなどの報告がありました。これも病床数ごとに分析がされている点は参考になります。こうした具体的な分析力はどうも公務員には弱い部分だと感じていて、そういう意味では説得力のある話をしている分、彼らに優位性があると思ってしまいます。

 せっかく入手した資料ですからわが厚木市立病院の決算状況に当てはめて、検証をしてみましょう。