夏至

 6月議会が今日閉会しました。今日は合計10件の陳情に対する賛成、反対の立場からの意見表明(討論)を行いました。
 すべての議会日程が終わったとき、隣席の議員が「長い一日だった」と言われました。今日は夏至、一日が長いのは仕方ありませんね。
 
 先日、あるいは一部では今日の新聞で「富裕層」についての記事がありました。2009年末で世界で1119世帯が100万ドル(9100万円)以上の金融資産を保有している、伸び率は14%だというもの。アメリカがトップで417万世帯、伸び率15%、世界に占める割合は4割ほどになり、2位の日本が123万世帯、伸び率は1%、3位は中国で67万世帯、伸び率は31%!だという数字が示されていました。調査元はアメリボストンコンサルティンググループだといいます。この富裕層は、全世界の世帯のわずか0.8%にしか過ぎないのに全金融資産の38%を保有している計算になるといいます。
 富の偏在を示すと同時に、日米中の三カ国がそれぞれ上位を占めているということも、この間の軍事基地をめぐる問題などとの関連を考えると背景に熾烈な経済権益争奪戦があることを感じさせられるものです。

米軍普天間基地の無条件撤去を求める意見書を国に求める陳情

 賛成は私と共産党(2人)の3名だけでした。少なくとも、日米合意がこのまま進むことを望んではいないということの意思表示のために、賛成をしました。しかし、政権を担うものを外からたたくだけでは沖縄の現状が解決するとも思えません。そのことも含めて、今日は主張をしました。

 「沖縄の負担軽減をするためには東アジアにおいてどのような経済圏を確立していくのか、その際のアメリカのプレゼンスはどうなのか、こうした問題と密接不可分なはずで、経済論議を元にした外交政策の延長線上にしか軍事偏重の安全保障論議から解放されることはないでしょう」

 「また、報道によれば、米上院軍事委員会は国防予算の大枠を決める2011会計年度の国防権限法案で、在沖米海兵隊グアム移転費のうち、政府原案の7割にあたる3億2千万ドルを削減したといいます。米海兵隊がグアム東部に予定する実弾射撃場の建設で、当初、米軍は射撃場を基地内に造る予定だったが、基地外に建設することになって、もともと土地を持たない原住民チャモロ人や、戦後米軍に土地を接収された人々の代替地なので難航している。国外だからいいという訳でもないのだ。アメリカの軍事戦略そのものが問題なのだ」

というような趣旨を述べました。

 今議会は参議院選挙前ということもあってか政治的な立場を問う陳情が多く、討論に立った人数も9人と多くなりました。私は賛成のもの、反対のものをそれぞれ述べたので2回登壇をしましたので9人、10件の討論でした。
 依然このブログでも触れたとおり、政権交代の意義を否定するものに対して黙って見過ごすことができずにしっかりと発言をしておきました。

 すべてを今日ここでは触れませんが、機会があれば報告します。

 ただ、選択的夫婦別姓制度に反対する趣旨の陳情については報告しておきますと、市民福祉常任委員会では賛成多数だったものの委員長(公明党)は意見書提出に反対だったため意見書は副委員長提出となりました。反対の立場からの討論には私や共産党公明党が立ち、ネットの2人、民主党の1人(1人は退席)の反対10人、対して賛成は15人ということで成立したのでした。

 私はあえて、選択だからいいだろうという姿勢ではなく、別姓こそ望ましいという立場で主張をしました。選択制を認めさせるには、そのものの価値を認めてもらわなければならないからです。そうでないと、「別姓差別」のような偏見が制度化した後に生まれかねません。
 以下は今日登壇で述べた主張のあらましです。

 通称の場合銀行口座などは戸籍名でないと作れない、不便。印鑑の問題もある。事実婚や、婚外子の差別の問題もある。議論の中に入れて考えるべき。

 戸籍上の別氏を認め、通称のほうをどちらかの姓・氏にするとすれば子どもたちにもわかりやすいものになる。
 
 氏、というものが日本においては、平民が氏を名乗るようになった歴史が浅いこともあるのか、氏によるアイデンテティにこだわりが強いのはいたしかたない面もあるかもしれない。帰属意識同族意識、もここに起因するのか。
 
 かつて中国から輸入した元号、については本家本元の中国では辛亥革命ののち1912年に廃止され、いまは世界で使用しているのは日本だけ。西暦に科学的優位性があるかということよりも経済的合理性があるということを考慮すべきだということ。
 同様にまれな存在の戸籍。そのままでいいのだという姿勢はおかしい。
 
 主人という呼び方。父兄という言い方。疑問を感じる人が少数であるか否かを問わず、本来あるべき論を指し示してこそ政治。明治以来の民法を引きずっているのだと自覚をしておくべき。

 また、「結婚に際し同じ姓となり、これから新たな家庭を築くという喜びを持つ夫婦のほうが圧倒的多数であり、極めて一般的な普通の感覚」というような主張は、それは社会の誘導だ。戸籍上、そうすることが必要であり、そうしないと経済生活上も含めてメリットがない以上、それが当たり前になるのは当然。制度が意識をつくる。だいいち、そういうならば男性の側の改姓が半数以上になったうえで男性側の喜びの声をこの場に提示してから述べるべきだ。

 以上です。論議自体を封印することにならないように、期待したいものです。

■市立病院の特別委員会、議会の在り方検討会など

 本会議終了後、全員協議会や特別委員会が行われました。本会議で相当のエネルギーを費やしたため、全員協議会がほぼ頭脳停止に近い状態でしたが、特別委員会以降は復活しました。
 病院に関しては設計に関する契約について、公募プロポーザル方式で選定が進んでいて(厚木市理知病院建設整備基本・実施設計業務に係る公募型プロポーザル)、近く現地調査会や公開ヒアリングがもたれるという報告と質疑がありました。私は今後の議会提出となる予定などを質疑しました。詳細はまた改めてここでもお伝えできるかと思いますが、情報公開が功を奏す結果となるように、できる限りのサポートを考えるべきでしょう。

 議会の在り方検討会、も論議が進み、陳情の提出者の意見陳述の場を設ける件や、議席に設置された採決ボタンの利用、議案説明会を設ける件などが論議され、それなりに方向性が集約されました。これは7月にはいって後3回の会議をもつことも決められ、議長に答申する内容が確認されれば一定の成果となるでしょう。