盛岡

niginigi32010-05-11

 都市経済常任委員会の視察(所管事項調査)で今朝から盛岡に。
 「オムニバスタウン事業」と「総合交通計画」が調査事項。
 先週末に体調を崩し、若干腸閉塞に近い状態になってしまい、昨年の6月議会の最中に入院した苦い記憶を思い出して昨日まで食事を取らないでいました。ですが、状態は快方に向かっていると判断して視察には参加しました。ただし、食事をとるのを控えて。

 盛岡市オムニバスタウン事業は、1999年度から2003年度までの5ヵ年の事業。
 要するにバスの利用促進のための国の補助事業。盛岡市のパンフレットには

 乗り合いバスの語源で、もともとは「何の御用にでも役立つ」という意味。フランスの乗合馬車発着所になっていた雑貨屋の看板にこう書かれていたことにちなみます。現代においては、地域の足・まちづくり・環境問題等の「多様な社会的課題の解決の御用に役立つ」という意義が込められています。

 と説明されています。写真は市庁舎内にあるバスロケーションシステム、運行状況を主要なバス停で知ることができるもの、こうした整備などに国や、県、市が補助を出しバス路線を維持しようとするものだといえます。
 
 盛岡市としては、ゾーンバスシステム、として運行体系を基幹バス、支線バス、都市循環バス(でんでんむし)と役割分担、ミニバスターミナルを設けて乗り継ぎをすることで流れをよくする、そして乗り継ぎには割引をして負担軽減を図る。
 その他バス専用レーン、PTPS(公共車両優先システム)などのハード整備も含めて、約13億円をかけた事業だということでした。
 説明では成果は一部地域に限られているので今後は課題を解決する必要がある、という話でしたがおそらくはバス利用促進はいろいろなアプローチが必要でしょう。運行状況の掲示システムだけでもずいぶん利用者の利便性にかなったものとも思いますし(盛岡では約80箇所にあるということでした)、そんなにみんながマイカーを捨てて圧倒的にバスに流れるとはいえません。子育て中にはマイカーは必需品だし、元気な高齢者はバスで移動してもらえるように誘導策も可能ですが介護が必要な状態になるとこれも難しい。定時運行の保証と低額の運賃、があればずいぶん利用も増えるでしょうが。

 なお、課題という点では、国の補助は3割ほどで、盛岡市の補助が38%ほど、バス協会・事業者負担が約26%、ということでこの制度自体も財政力がある程度ないと難しいと思われる点。事業期間終了後には事業者負担で続ける(乗り継ぎ補助など)ために、本来は利用者負担軽減を進めたいのに実現困難になる可能性が高いと思われる点があります。

 「総合交通計画」は、3年ほど前に策定されたばかりのもののようでしたが、方向性は参考にすべきものがありました。「自家用車は我慢、歩行者・自転車・公共交通優先のまちを目指して」とうたわれて市民参加型で計画の策定が進められたようでした。私には、特に自転車の利用については意識的に行われていることが期待できそうに思えました。なんと、自転車条例、があるというのです。今日は詳しくは聞けませんでしたが、ぜひこの先、参考にしてみたいと思います。


■なお、厚木市と似ているなあと思ったのは、川で区切られて橋を渡らないと行き来ができないという点、中心駅に一極集中している点、そして昼間人口が多いところ、でしょうか。中津川、って名前の川もあるんだそうで。
 冬の期間の「凍結」対策、というのが必要だというあたりは地域性の違いを感じました。