厚木市立病院の整備に前進!

 議会の最終日、採決が行われました。
 病院の整備や運営にかかわる議会の特別委員会も、今日の本会議で中間報告をしました。
 本会議終了後、開かれた特別委員会でも熱心な議論がありました。私は委員外議員として傍聴し、意見を伺っていましたが、新年度には病院建設準備のため新たに担当課長以下3名の配置があるという報告を受け、ほっと一安心したところです。
 あらたな病院整備のための基金条例も始まるので、おおいに期待できます。

 大先輩の議員が主張するまでもなく、医療従事者の確保などはすでに助走期間に入っています。やる気がないことが見透かされた時点でこの整備事業は「終わり」、毎日が真剣勝負です。議会も、特別委員会を設置して応援しているのですから死活問題です。考えられることはすべてやりつくしましょう。

 私は一般会計予算についての賛成討論をしましたが、病院の整備について、ようやく大きな一歩を踏み出したことを成果として認めておきたかったのです。予算についてはいろいろとマイナスもありますが、プラス面を強調しておきたいと思いました。

  • 予算議会終わる

 賛成討論の趣旨は、1)病院整備が正式に位置づいて、土地開発公社を廃止し清算金6億円を基金に充てて財源の準備を始めたこと 2)子ども手当(国庫負担金33億円の受け入れ、歳出では支給経費など約42億円)など新しい政権の施策の反映があり、厚木市一般財源でも税収減にかかわらず扶助費を3億円余り増額させたこと、普通建設事業が3分の2になったのに対して民生費、衛生費、商工費が増額になったこと 3)自治基本条例など、頑張る市民への激励 、おもにこうした点を軸に、評価すべきは評価すべきとしました。
 
 少し長めの演説となってしまいましたが、発言の中でもののたとえとして、今の政治の状態を融点、沸点にたとえてみました。分子が激しく運動をしているとしても温度変化として現れない段階のことです。もみ合い、衝突の先にはじめて飛躍があります。飛躍にたどりつくためには、加温をきちんと続けなければなりません。途中で加温をやめれば分子の運動も低下します。純物質で沸点が高いといわれるタングステンは6000度近い高温が必要になるらしい。頑張らなければなりませんね。

 なお、本会議では先日触れました「核兵器の廃絶と恒久平和の実現を求める意見書」が、一人会派を含めての全会派の代表の賛同(年長議員の小島一郎議員が提出者)で採択されました。一人会派も含めての提案は、前例や慣習に拘束されずに、時に応じて柔軟に思考する、時代に合った判断で小さな改革ですが前進を評価しています。

  • 在り方検討会、議長選についてなどを議論

 議会運営委員会、本会議、代表者会議、定例全員協議会、病院の特別委員会など目白押しの日程の最後に、議会の在り方検討会が開かれ、いつものように公開議論の中で、議長から諮問を受けた大きな2項目目の議会改革にかかわる部分、「議長選のあり方など」から議論に入りました。形式的な議論ではなく、結構本音が戦わされていて、私はこの論議を大変評価しています。これが、きちんとインターネット中継もされているということ、実際にこの放映を見ている人はいるのかどうかは知りませんが(もっともこういう議論はコアな議会ウオッチャー好みなだけかもしれないのですが)、すごいことだと思うのです。議長選に出る人は所信表明をすべきかどうか、議長の任期をどう考えるか、という論議でしたが、論議は次回に持ち越されました。

 ちなみに私の主張は、法の規定がないことがあるから所信表明は本会議場ではなく、議長になりたいものは任意で呼び掛けて述べればよいだろう、とくに申し合わせなどに記載する必要もないではないか、誰が議長選に名乗りを上げるのかを知る機会を保証すればよい、というようなニュアンスの発言をしたと思います。私は、要するに(今度の会議で言おうと思いますが)あまり形式を盛り込んだり決めたりしないで、良かれと思うことは規定がないことは何でもできるのだから自由に、束縛されずに活動すればいいではないかという考えなのです。
 地方議会とはいえ現実の政治の反映ですから、議長というポストを巡る争いはそれなりにその時々の政治状況を反映します。それが重要なのか、重要でないのかの認識も含めて政治的なものです。このことを、何を明らかにしていくことが市民の利益につながるのか。議長職は、議会を代表し、よって市長と対等な関係を保証することを体現すると私は認識しています(だから議長にはフリーハンドを与えておきたい。議長の裁量を認めることは大切)。そういう意味からすると、私は議長にはさほどこだわりがないのです。もっとも選挙に有利だとか、そういう別の要素が魅力を増しているとするとそちらのほうこそ不思議ですが。
 議長任期については、会議で述べたのは、自治法の4年という規定は現代地方自治の実情に合っているのか、という気持ちがある、また申し合わせや慣例で1年とか、2年とか、そういうような決めごとを作る必要性も感じない、決めごとがない中で実情に合わせて行えばそれでいいだけの話、そんな意見を申し上げたと記憶しています。正確には議事録を確認する必要がありますが。
 
 今後、在り方検討会では、議会広報のあり方など、議長の諮問事項を適宜優先順位によって様々な論議をしていくことが確認されています。議会運営委員会の任期である8月までには一定の結論を出し議長に答申をすることになります。28人の議員の総意で、納得できる部分は早く合意をし改革、実践できればよいのですが、私たちの残りの任期中に道筋をつけておきたいという気持ちはあります。
 しかし、むろん、議会活動は個々の議員の活動が独自の努力の中で行われることが大前提です。そして、その活動の強化こそが本質だし、議会改革の論議にばかり頭がいってしまって議会の質疑や議案審査がおろそかになるなどというのは本末転倒です。議会の質疑、審査の向上に結び付くための改革、という観点こそ大切でしょう。

  • 議長の諸報告

 本会議最終日冒頭に「議長の諸報告」は配布された通り、ということから始まりましたが(通常ですが)、私はかつてある議長選に際し「議長の公務日誌の公開」を条件にしたことがありまして、同じ観点で議長公務や諸報告にある事項のエッセンスをわかりやすくアップできたらいいと思うのです。
 今回の「諸報告」には
 2月9日 太田洋議員、徳間和男議員から、議員報酬の一部減額についてが提出された。
 2月19日 議会運営委員会委員長から、厚木市自治基本条例(仮称)における議会・議員にかかわる条項の取り扱い並びに内容の検討について、答申があった。
 2月23日 厚木市立病院の整備・運営に関する調査研究特別委員会が、厚木市立病院を現地調査した。
 同日  議会・議員の役割・責務について、市長に意見具申した。
 (以下省略)
 などの事項が掲載されています。議会の、本会議や常任委員会だけが公務であり報酬の対象だなどという「誤解」もされがちな昨今、閉会中、休会中の活動なども伝える価値があるはずです。(注、2月23日は定例会開会中)

  • 厚木市立病院の整備・運営に関する調査研究特別委員会の第2回中間報告

 現特別委員会委員長の関戸順一議員が本会議場で説明をしました。これまでこの委員会は6病院の視察のほか21回の会議を開き調査研究を重ねてきました。今回は、行政が整備に向けて「基本計画」を策定することが決まっており、その前に市民を代表する議会としても一定の報告をすべきだろうということでこの中間報告を出すに至りました。
 一部内容を記載しておきます。

 (1)新病院整備の考え方
 高機能の病院は市民の安心・安全の確保には欠かせない施設であるため、4疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)、4事業(救急医療、災害時における医療、周産期医療、小児救急医療を含む小児医療)、2機能(感染症、地域医療の中心的役割)における医療体制の充実を図ること。
 特に、小児・周産期医療や救急医療などの分野は、公立病院として政策医療における責務を果たすこと。
 (2)新病院の機能
 (ア)地域医療支援病院として、病診連携や病病連携をより強化し、紹介患者を中心とする入院医療の充実を図ること。
 特に、公立病院におけるさらなる機能として、NICU(新生児特定集中治療室)やPICU(小児集中治療室)、またNICUをバックアップするGCU(継続保育室)等は、県内では県央2次医療圏だけが皆無である現状から新病院に設置すること。
 (イ)予防医療は、市民の健康増進に寄与し、病院経営の安定につながることから、人間ドックや市民の健康診断にも対応した施設整備を考慮すること。
 (3)新病院の診療科目・病床数
 (ア)診療科目
 2次医療機関として、市民の「安心・安全」を担保するための診療科目や診療内容を保持すること。
 なお、診療科目については、4疾病、4事業の医療を実施していることが分かるように配慮すること。
 (イ)病床数
 より機能的な医療提供のために病床利用率や平均在院日数の改善に努めるとともに、より効率的な経営を目指して病床数の最適化に努めること。
 ただし、臨床研修指定病院の条件を満たすようにすること。
 (4)建設場所
 現在地建てかえとし、工事期間中の医療機能の低下と入院・外来患者の負担を最小限にする工法を選択するとともに、騒音、振動対策等を講じること。
 なお、現在の第2、第3駐車場の統合整備や隣接する民間事業所との土地交換など、周辺地域の再整備を検討すること。
 以下 (5)非医療分野における病院経営のあり方(6)その他意見等 は省略します。

 今後、基本計画を行政が作成する中で、特別委員会もさらに検討事項を論議していくことになります。