見通しを早めに

 朝夕の風がずいぶん涼しく感じられるようになりました。日が暮れる時間も早くなり、日中はまだ暑さが残りますが秋になっているなあと感じます。週内にも新しい内閣の布陣が決まるかと報道されて、予算編成の動向も注目されますが、市議会の目下の注目も来年度はどのくらいの予算になるのかということになっていると思われます。45億とか50億とかいう規模での減収は、もちろんそれでも厚木市の財政はまだ体力があるといえますが、やはり厳しいことは厳しい。投資的経費を「アテにしている」人々にとっては、覚悟がいるというものです。
 
 総合計画実施計画における財政推計でも投資的経費を相当多めにみていましたから(今年度95億円、来年度が106億円、翌々年度が121億円)、この部分での事業の先送りなどは当然でしょうが、議会でも主張した通り、「どこが先送りになるのか」はある意味で当事者にとっては死活問題となり、合意形成には時間を要することも推測されますので、早目に検討に入ってもらいたいものです。市民生活に不安を与えないようにすることを担保するためにも、見通しの打ちだしは早急にしてもらいたい、ということにつきます。

 今日は、議会の合間で通常の通院に当てましたが、通院先の小冊子に、消化器内科の先生のコラムが載っていてその通りだと思わされる部分がありました。こう書かれていました。
「(前略)みんながちょっとずつ幸せになる、が私の医者としての最終目標であります。しかしながら昨今の医療情勢は、本来、みんなで祝福すべき長寿がそうでないかの如く状況となっているように思えてなりません。今まで世の中のために一生懸命に生きてきたことが報われないような世の中では、われわれ働き盛り世代のモチベーションは保てません。御高齢者が幸せそうに過ごしている姿を若い世代に見せつけることが、社会全体としての活気を生み、ひいては出生率の向上に繋がると固く信じております。(後略)」
子は親の鏡。子供たちの姿は親の社会の反映でしかありません。高齢者が軽んじられる社会を子供たちに日々見せていることの弊害を、私たちは深刻に受け止める必要があります。経済的にも精神的にも安心して生活できるようにすることこそが、重要なのです。そのことがないが故にかえって財政出動でケアをしなければならなくなっているのが昨今なのですから。