油断か慢心か

 500近い「自由記載」の市民からの意見を反映させないままにしていたことが質問の前に(今朝)担当職員から告げられて、やりきれない思いを抱えて質問に立ちました。情報公開や市民協働を掲げている市長の、まさに足元である企画部門で、なんでこんなことがおこるのだろう…。
 「新総合計画に係る市の取組に対する意向調査」は昨年12月2日締め切りで、3000人の無作為抽出で行われ、1144人から回答を得ていました(回収率は38.1%)。6月30日締め切りで広報課が行った「市民満足度調査」から半年もたたないうちに、市民からすれば「また同じような」と思われかねない調査を行っていました。しかも、この調査は総合計画策定について一括で委託をしていたコンサル会社に契約変更をして追加でやらせたものだったようです。あわてて追加したからだとは思いたくありませんが、担当からのオーダーが不徹底だったとしか思えず、無作為抽出とはいえ1144人のうち厚木北地区は312人(27.3%)も、厚木南地区も200人で(17.5%)この市街地中心にお住まいの方々だけで44.8%と半数近くを占めてしまっていました。
 今日の議会ではその他にも気づいた疑問についても触れましたが、なによりもせっかく思いを伝えようとして記載した市民からの「自由記載」の声を9ヶ月間も封印していたとは驚く以外にありません。
 これは企画部門という管理部門が、相互に批判する日常がないか、市長から厳しく言われないかで慢心しているか油断していることによるものだとしか思えません。それでも、今朝ほどに事実をきちんと伝えてくれた職員には感謝したいとは思います。かつて、市制50周年記念のモニュメント時計について、市民から批判の声が確実に届いていたにもかかわらず黙殺をしていた当時を思えば、きちんと叱責を受けることを受け止めていただいたことはまだ救われると思います。
 財政計画についても、はなはだ残念な答弁でしたが、早急に立て直しをしていただきたいと願います。「財政推計はあくまで推計に過ぎませんが、多くの課題を解決したいとの思いの強さから、事業の必要性から市税収入などの希望的観測から考えたのでしたが、経済危機の深刻さは予想をはるかに超えるものであり、推計値をはるかに下回ることになったことについては反省材料があると認めざるをえません。」とか答弁していただけたらありがたかったんですがなあ。

  • 環境センター改修には38億円 

 続いて3つ目の質問の寄附については、財務部長から「市民にとって魅力のあるメニューを考えている」と具体的な検討に入っている旨の答弁がありました。時間がほとんどなかったため、今後に期待したいという趣旨を述べて、さらに高齢者の財産保護については「まなび債」が利率が高かったなどの面から公募債には消極的だということは致し方ないとしても、本来行政が高齢者に不安を与えるから自己防衛せざるを得ず資金を手放せないことから、さまざまに狙われるわけであって、行政が何らかの手立てを考える必要はあるだろう、という主張をして投げかけをしておきました。あとは福祉部が知恵を絞ってくれるでしょう。

 最後の質問、環境センターについては、今後の焼却場建設に関係してとてもナーバスな問題も含みつつあって深くまでは突っ込みませんでしたが、ごみ処理経費が収集で22億円、焼却で12億円、灰処分で2億8000万円、市民一人当たり16300円、などという状況について確認でき、さらにかつてはもう炉が限界であると行政は言い続けてきましたが、ごみの減量が進んで稼動の状況も幾分余裕が出ていることもわかりました。8年前にした、ごみ処理に関する市民の意識調査の報告もさせましたが、なにせ質問時間が残り3分しかなく、もう一度広く市民の関心の度合いを調べる必要を感じないのか、などという質問をする時間はありませんでした。
 棚沢の候補地を断念したことは経緯から言っても当然でしょうが、やめたら次はどうするかまで厚木市が責任を負うべきだと私は考えていて、市長決断の一部組合にゆだねたということの真意は測りかねますが、裏で政治的な動きに翻弄されないように、見守りたいところです。