梅雨が明けても

 ここのところ、湿った空気と停滞前線の影響で日本列島は雨にたたられています。梅雨は明けても明けきらないような日々で、強風や雷雨に突然見舞われたりしています。太平洋高気圧に迫力がない理由はよくわかりませんが、自然災害に対する備えは国家の責任の柱でもありながら、国づくりにおいてそのあたりがどうも弱いと思われてなりません。
 災害に対する備えといえば、カタストロフィー債、なんていう転んでもただは起きない感じのサブプライムローンの変種が注目されているようです。災害の起こる確率、リスクをも投資対象にしていく金融工学は、資本主義の発展、人間社会における科学の進歩からすると必然なのかもしれませんが、人間の競争の側面と対極にある、もう一つ大事な共生の側面が忘れ去られているようです。
 
 未曾有の経済危機の影響で、正社員の知人は一人は合併の影響で、また一人は事業縮小のあおりで転職、退職を余儀なくされたそうです。夏祭りやお盆のこの時期は久しぶりに顔を合わせる友もありますが、笑って話はしていても明るい話題ではなくて、なんて言いながら笑っています。
 友人たちは、すでに公的な(年金などの)サービスには端から期待しておらず、自己防衛策には大変詳しい。1年、2年という目先ではない、将来的な雇用先の(産業の)育成、展望がないことが、より経済活動を萎縮させているという面もあるのではないでしょうか。
 さらに、日本の発展を支えたわが親の世代は、一線を退いて久しいですが、首相に軽口を言われるような存在であるはずもなく、こちらは笑い話では済まされません。公からも犯罪からも狙われ続ける高齢者の資産、所得も資産もないものは相手にもされない社会、は人間を病気にさせないのでしょうか。

 それでも子どもたちはいたるところで夏休み、楽しすぎてもう一週間もたってしまったというような勢いで微笑ましいですが、私はといえばこの多忙の夏を、オーバーヒートし過ぎるな、ペース配分に気をつけてと周囲に大いに気を使っていただきながら乗り切ろうとしています。