マニュフェスト
まずは日本の針路として、理念を示し、その理念を実現するための政策を提案する、そういうものであるべきでしょうが、これまでの国会論議の延長になるであろう今回の総選挙のマニュフェストは十分なものにはおそらくなりえないと思われます。これはいたしかたないことでしょう。ここでも何回も述べていますが、政権交代が一度もされていないこの国においてはすべてが未知数で、未知の経験を踏まえないと次に進むことができないでしょうからです。
マニュフェスト選挙を望む人がたくさんいます。総じて、相対的な評価で選んでいくことになるでしょうが、私は、国民の側からマニュフェストを提案したら面白いと思うのです。知事たちがアクションを起こしたように、能動的に選挙にかかわることは意義があるはずです。特定の団体だけが圧力をかけるから利権やしがらみを生む要素になるのですから、国民がプレッシャーを与えることでそうした要素を排除できるのではないでしょうか。
<国民主権を第一に>
私は、まず第一に、国民主権の実現のために、というテーマから始めていきたい。どうも国会が遠い!と感じている人は多いのではないでしょうか。とくに、地方政治にかかわる私たちにしてみますと、地方分権などというのはまったく言葉だけだと憤っていますから。国民が政治を進める主体であることを実感できる政治に舵を切る必要を痛感しています。官僚批判は、つまりは官僚が国民から離れていて、一部の人の利益にしたがっていることに原因があるのではないでしょうか。としたら、まずは官僚政治から国民の手に政治をどのように取り戻すのかが何よりも日本の将来にとって大切なテーマでしょう。知識が豊富な官僚が、どのような仕事をするのかが問われているのです。
<地方も意地を>
ところで、先日私は所属の委員会で「神奈川県の補正予算で厚木市に絡んだものは?」と質問しましたが、財務が「承知していない」と答弁しました。所管外か、と思った私はそれは仕方ないかとそれ以上は追及しませんでしたが、のちに、政策部長に確認したら政策部でも承知していないと言います。
これは、実は、ときの幹部職員の情報収集意欲にかなり規定されると思われます。皆さんご存知のとおり、国や県は、市町村には「偉そう」ですから。分権どころの騒ぎじゃありません。ぜんぜん改革なんてされてやしないんです。だから、市の職員は、神奈川県から情報を取ることは苦手です。きっと横柄な態度で接してくるんでしょう。でも、分権の時代、そのくらい跳ね返すことくらいはできなくてどうやって仕事するんでしょう。気合くらいは見せてもらいたいものです。
最終日の討論で、行政は情報を出してほしいと言いました。これからの税金還付はどれくらい?個人市民税の見通し、法人市民税の見通しは?一日も早く対策を、という立場で、審査するにも議会の情報量と行政の情報量は比較にはならないはずです。もちろん、行政の中では市長に情報は集中するはずです。情報公開は、システムを確立しないと実践できませんので、あわせて確立してほしいものです。そして、自分の目の前の仕事の範囲以外は関心がないというのも変えてほしい、必要な情報は何か、どうすれば入手できるか(今はネットで大概は入手できてしまいますが)、を考えて積極的に取り組んでもらいたいものです。
- 気になる総合計画のゆくえ
さて、総合計画上では想定する計画人口が23万人ですが、以下のように気になる状況です。
出生 死亡 出生−死亡 転入 転出 転入−転出
7月 5.33 3.97 1.36 28.23 30.10 -1.87
6月 4.52 3.45 1.07 26.13 26.29 -0.16
5月 5.00 3.77 1.23 46.13 43.67 2.46
4月 5.58 4.23 1.35 59.13 69.74 -10.61
3月 5.04 3.96 1.08 26.04 33.00 -6.96
2月 5.58 4.71 0.87 24.81 30.10 -5.29
1月 4.84 3.39 1.45 24.71 26.77 -2.06
12月 5.00 3.50 1.50 25.23 24.80 0.43
昨年12月段階から人口が467人も減少していますが、その内容は上の表のとおりです。
それぞれ1日あたりの数値(単位は人)ですが、自然増はぎりぎりプラスで頑張っているものの、転出が多い。とくに、2月3月4月(つまり1月から3月末まで)は相当数、転出が転入を上回っています。原因は若年層の(学生など)転出かと想像できますが、先日の新聞報道であったように神奈川県は900万人時代として、特に横浜川崎は人口がしばらくは増加傾向であることがはっきりしているといいます。そう考えますと、厚木市の場合は具体的な対策を打てば人口減少に対する対応が可能なはずです(理論上は)。
転出が多ければ自然増が生まれる可能性も減少します。総合計画スタート同時に、この数値は市長には皮肉な数値ですが、とにかく情報提供をしてください。神奈川県全体の傾向とは違う方向とすれば、自治体の何がしかの理由があるでしょうから。
自治体の魅力がないのか、という点が当然考えられる問題ですが、単純ではないでしょう。ただ、少し気になる点では、(討論で言い忘れましたが)たとえば「大使」について。私は榊原郁恵さんが好きではありますが、エコ大使として彼女を充てるために「大使」を考え付いたのでしょうか。大使というのは私は、市長と同等に近い、実力本位の、対外的にその活動をアピールできる役割を与える、そんなイメージを持って期待していたのです。
副市長も増やさずにここまで来ましたね。サポート役に、有力な人材を置かないというのはそれはそれでそういう意図があるということになります。信頼できる人の幅の狭さを感じさせるということにもなりかねません。「協働」の理念のためにも、とりまきとか仲良しだけで固めた、とかいわれないような、大人の判断で、納得の配置を。と、そこまで討論で言うわけには補正予算と関係ないので無理ですよね。
が、総選挙が終わる前に、つまり9月議会前に、なんらかの手を打っていただかないと、間に合わないかと心配で、あえて日記としてこの場に綴ってみました。
でもあわてて動くこともないんですかね。余計な心配するな、と言われるかな?