五十嵐敬喜氏の講演

niginigi32009-07-16

 かながわ市民派議員会議主催の研修会に参加してきました。都市計画や公共事業問題などに精通されている五十嵐敬喜さんの、まさに今進行している政治状況に焦点を当てながら、道路問題を中心に官僚の支配や財政問題に鋭く切り込んだお話を聞くことができてこれは大変幸運でした。(写真は熱弁を振るう五十嵐氏)
 来るべき政権交代を考えたとき、どのような政権にすべきなのか、まだマニュフェストさえ出されていない現状、鮮明にならない将来像に警告を発し、なおかつ私たち地方議員に対して、しっかりしてほしい!という強い強い叱咤があったと受け止めました。
 
 ところで、五十嵐氏の書などを読むと、地方自治においては首長の責任はとても大切であることを思います。今日は、私たち議員に対して、あるいは議会に対して立法の側で頑張れというメッセージもいただきましたが、本質的には首長に対する注文だったのでは。
 公共事業が無駄だといって中止したとする。訴えられたとしてどうするのか。など、きわめて現実的に問題になる点について、正面から解決しようとすることの必要性です。

 そう考えたら当たり前ですが、こうしたケース、職員は責任が負えませんよね。それは市長が負うべき責任です。ダムをやめろと、たとえば主張した市長のもとで、働いていた職員が責任を問われるとしたら、おっかなくって仕事なんかできなくなってしまうでしょう。官僚は事務方に過ぎないのですから。
 事務方が事務方に徹して仕事をすることができていたならば、つまり利権や口利きや様々な外圧とは無縁で、市長の責任の下、ひたすら「公共の福祉」に専念することができていたならば、そう、それが当たり前になったのならば、政官業の癒着や寄付などをめぐる献金の疑惑なども一般化しなかったはずです。

 今日の講演では、道州制地方自治をどう考えるかの基本も問題提起されました。今この時代、政治が変わるこの時期に、こうした仕事に直接関与できることは幸せでしょう。しかし、その責任の重さを忘れてはなりません。