流れ

 静岡県知事選挙でも自民・公明の与党が推薦する候補者が敗北しました。例のごとく、敗戦は総選挙に影響ないと自民党は必死に事態の収拾を図っているようですが、総選挙が先に延びても政権の信頼が回復するとは思えません。与党を支えたい狙いがある報道の論調を見ても、その主張は大変苦しいもので、民主党の批判に終始し、まったくもってゆとりのなさを感じます。
 ところで、投機化する資本主義経済の数年間の中で、株で儲けることを覚えた知人は、民主党が勝つと株価が暴落するのではと真剣に考えています。まあ、機関投資家が数十億の単位のカネを操れば、そのくらいの操作はたやすいでしょうから、あながち否定はできませんが、知人がどのくらい儲けられるかどうかは別として、今のままでは必ず経済は破綻するでしょう。世界経済が将来の展望を見せられずにいることが、世界中の政治的激動の背景にあるのですから、政治経済の転換は世界共通のテーマであることは間違いありません。あちらでもこちらでも、政治的対立は死者を出してもなお治まる様子はありません。国連にも力はないし、G8も期待できません。
 ひょっとすると、世界中で、第2次大戦後の民主化の中で作られてきた議会制を中心とした政治体制とそれを保証してきた経済システムが機能不全に陥っていることの証ではないでしょうか。

 早いもので、入院の苦痛の日々から1ヶ月になろうとしています。今回は鼻から小腸までイレウス管を180センチも入れていて、鼻や喉の違和感がたまらず、ただひたすら寝ているような状態であまり本を読んだりはできなかったのですが、「新しい資本主義(原丈人)」は共鳴する部分がかなりありました。投機経済の危険性は多くの人が感じているのではないでしょうか。ブッシュ・小泉時代の「誰でも勝者になれる」という振りまかれた幻想に、多くの若者が翻弄され、実体経済を育てる面倒な仕事から離れていってしまいました。
 でも、人間は一人で生きられるわけではない。カネだけが大切なわけでもない。最近の新聞記事で、儲からなくても育てたい業種に投資をする傾向があるというものがありました。本来そうあるべきですよね、投資というものは。こうした健全な投資が成長を支えられるような株式市場が無いことを前述の書は指摘していました。今の世の中、社会の安定がないがために、人が個人個人で防衛をしなければならなくなり、資産を運用するしかないと考え、いいように資産を掠め取られていくのです。年金の運用で9兆円以上も損失を出した、こんなことがまかり通ってよろしいのか?

  • 七夕

 星空を見上げる人が多くなるのが七夕のころ。ぼんやり、天の川がわかるような空を眺められた子どものころを思い出します。世界天文年の行事が各地で展開され始め、22日の皆既月食というイベントもあって、天文に関心を持つ人が増えることが期待できて楽しみです。18日にはいよいよコスモシアターがスタートします。私はいくつか厳しい注文をつけ続けていますが、相当額が投資されている施設ですので、大切に利用してほしいと心から思います。
 日本に科学が定着しだしたのは江戸時代らしいですが、とくに徳川吉宗は科学に関心が高かったといいます。ちょうどそのころ、日本で地動説が書物を通じて広められたようで、西洋と違って庶民に違和感無く受け入れられていったらしい。宗教の絡みだと思われますが、このあたり、日本の面白さがあるとはいえませんでしょうか。ともかく、実体経済をリードするためには、将来性のあることについての投資は必要で、税金に過度に依存できない以上は民間の協力は不可欠です。そうした面での感覚は、まだまだ弱いのが行政、よく考えるべし。

 七夕。盧溝橋事件勃発の日でもあります。

 振り返るべき過去もあります。