議員年金

 今日は議会運営委員会で「地方議員年金制度の抜本的見直しの検討を求める意見書を国に提出することを求める請願」が取り扱われました。結果は賛成少数で不採択となりましたが、手続きも含めて比較的民主的に進められたうえでの結果ですので(傍聴許可についての論議、請願紹介議員の発言、インターネット中継など)、今後何らかの形で市民の声が反映されることを期待したいです。

 私は今日はオブザーバーとして発言を求めませんでしたが、最終日には賛成討論をする予定でいます。

 今年の2月10日に開かれた、市議会議員共済会の代議員会では、全国各地の代議員から、年金制度維持を求める意見が出されたようです。「すでに議員は約1000万、2000万の掛け金を掛けている。それを簡単に諦めろということはありえない」「いま年金をもらっている人は9万3000人と言ったがそのうちの75%の方がこの議員年金とわずかな国民年金だけで生活している」「いままで総額1300万円掛けている。それを廃止するとか戻ってこないとかいうことは、国は詐欺と違うか」などというような意見が出されていたようです(会議録より)。
 2007年度(平成19年度)の給付経理を見ますと、退職年金、公務傷病年金、遺族年金、退職一時金、遺族一時金などの経常費用のうち、64.8%にあたる約385憶円が退職年金です。公務傷病年金はゼロでしたので、本人か遺族かはありますが基本的に退職後の生活保障のための給付がほとんどということになっています。
 今年度の資金計画の推計では掛け金約181億円に対して給付費負担金(公費)が186億円となっていて、もはや、地方議員の退職後の上乗せ退職時生活保障は公費の支えなくしては成立しなくなっているということを示しています。
 議員年金のスタート時、そもそもは任意の互助会制度として始まった(1961年、昭和36年)ものが翌年にすぐ強制年金となり、1972年(昭和47年)からは掛け金のみでなく交付負担も始まった、という経過があります。私が生まれた年に始まった制度で、高度成長の中で国民所得が急増していく時代を背景に存続しえたものと考えられます。

 しかし、今。会員数は1999年(平成11年)3月末の60,004人から2008年(平成20年)には35,819人と40%も減、一方で年金受給者数は79,232人から94,357人へと19%も増えているのです。もはや制度的に成立しえないことは明らかです。このことから総務省も検討せざるを得なくなっているわけですが、給付を維持することを前提にした改革案はたとえば掛け金率を引き上げることや公費負担を引き上げることなどが共済会サイドからは求めているために、国民の視点に立った改革にならない可能性が高いと言えます。
 また、互助会的性格があるとはいえ、議員の歳費自体が市民の税金によって支えられているのであって、間接的にこの年金制度はすべて市民の支えによって成立しているともいえるわけです。今、議員の歳費のうち16%が共済会費として強制徴収されているのですが、月額にして7万円以上の負担は決して少ないとは言えません(厚木市議会は45万2千円が歳費)。しかもそれだけでは支えられない見通しという以上は、なんらかの対策を打たないわけにはいかないことは自明なわけです。

 今日の議会運営委員会では「存続するにしても地獄、廃止するにしても地獄」というような趣旨の発言も聞かれました。それはどちらにせよ既裁定年金の引き下げが財産権の制限にあたることから制度廃止の上でも支えざるを得ないということが念頭に置かれたものと思われます。しかしながら、存続をすることはもはや無理でしょう。
 最初のスタート時にあったような、任意加入で、公務災害によるものに対する最低限保証としての互助会的なものに、共済は生まれ変わる必要があるというのが私の意見です。

 市長召集の代表者会議がありました。麻生内閣の大型補正に絡んでの臨時議会の提案です。