消防長の資格

 今日午後、市長招集の代表者会議が行われました。議題の1つが昨今騒がれている「消防長の資格」に関するもの。「市町村の消防長及び消防署長の任命資格を定める政令」をみてみても、その根拠ははっきり言ってよくわからない。この政令は第1条、すなわち冒頭から消防長の資格を8項に渡って規定しています。おそらく、なぜ4年なのかとか、6年なのかという根拠について、深い議論もなく内閣が決めたものなんでしょう、なにせ法律ではなくて「政令」なのですから。
 この政令は、消防組織法の12条に基づいて出されています。12条には「消防本部の長は、消防長とする。 2 消防長は、消防本部の事務を統括し、消防職員を指揮監督する。」とあって、15条には消防長は市町村長が任命することと、消防長と消防署長は「政令で定める資格を有する者でなければならない。」と規定されています。
 法律自身に明記していないというのは具体的な問題については内閣の命令という形での、つまり内閣の裁量を持った、権力の行使にあたり裁量の余地を持ったということ。
 法律に根拠を持つ政令に反しているということをもってただちに法律に反することになるのでしょうか。内閣の命令ですから、強制力は持つでしょうが、命令に従うまでの猶予であるとか、命令を執行するために障害となる問題がある場合の対処であるとか、内閣には責任が生じるはずです。
 かつて、「通達」なるものがはばをきかせていたことを思い出します。法律に明記されてないものを行政府の(官僚の)意図で勝手に解釈し自治体を支配コントロールしていたことを。
 消防には重大な責任があるので、経験を重視している、というならば、単に部長職4年なんていう基準は大して意味を持たないと私は思う。それでもこの政令には第1条第7項にそう書かれています。 むしろ今回のことで考えなければならないのは、一般職の部長が消防に行くのはあまり好ましくないという、そうした感覚のほうだという気がします。そうした意味では、任命権を持つ市長が、教訓とすべき点は多いといえるでしょう。