請願の紹介議員

 先日「所得税法第56条廃止の意見書を国に提出することを求める請願」という請願の紹介議員を引き受けさせていただきました。請願者は、厚木民主商工会婦人部(部長・中山光子さん)、紹介議員は釘丸久子氏(日本共産党)、山本智子氏(神奈川ネットワーク運動)、名切文梨氏(民主党)の3名と私です。
 昨年も同様の趣旨の陳情が出されていて、そのときは賛成少数で不採択となったものですが、今回は所得税法の部分的な廃止による改正を求めることに絞っての請願ということで、検討する中身も具体的になると思われます。
 今日は、一般質問2日目でしたが、病院・医療、教育(学校給食も含む)を中心に論議されましたが、議論の背景には必ず今の財政や景気の問題が絡んできます。そうした意味から、どうしても自治体サービスを論じる際に、国の制度をそのまま受け入れる姿勢ではおのずと限界があるというのが私の意見です。
 ですので、この請願も、日本の税制改革を進める上で必要な視点と考えています。審査は12月9日(火)の総務企画常任委員会で行われます。週明けの月曜も一日一般質問の議論がありますが、ご関心がある方は常任委員会も傍聴並びにインターネット中継をご覧ください。

なお、請願の趣旨などは以下です。(市議会ホームページでもご覧になれます、ほかの各陳情なども見られます)

【請願の趣旨】 
  私たち中小業者は、地域経済の担い手として営業を続けています。その中小零細業者を支えている家族従業者の「働き分」(自家労賃)は、配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しないこととする所得税法第56条の規定により、税法上は原則として必要経費とすることを認められていません。
事業主の所得から控除される働き分は、配偶者の場合は86万円、家族の場合は50万円で、家族従業者はこのわずかな控除が所得とみなされるため、社会的にも経済的にも自立しにくい状況になっています。このことは、家業を家族と一緒に行うことをやりにくくする要因の1つであり、後継者不足に拍車をかけています。
所得税法第57条では、特例として青色申告を税務署長から承認を受ければ、給料を経費にすることができますが、同じ労働に対して、青色と白色で差をつける制度自体が矛盾しています。
ドイツ、フランス、アメリカなど、世界の主要国では、自家労賃を必要経費として認め、家族従業者の人格・人権、労働を正当に評価しています。労働に対して正当な評価と報酬を得ることは当然の権利であり、女性が自立して生きるための基本的な要件です。所得税法第56条は、憲法女性差別撤廃条約男女共同参画社会基本法に違反する時代遅れの法律です。
この間、高知県議会を初めとして、1県8市12町1村の議会が「所得税法第56条廃止」の決議・意見書を国に提出しています。全国税理士会の過半数に当たる8税理士会も、平成20年度税制改正に関する意見書で所得税法第56条廃止の意見を出しています。
以上の趣旨から、厚木市議会に次のことを請願いたします。

【請願の項目】
所得税法第56条を廃止するよう国に意見書を提出してください。