地域医療政策セミナー

 永田町に近い、都市センターホテルで行われた全国自治体病院経営都市議会協議会第4回地域医療政策セミナーに参加してきました。厚木市議会からは私ただ一人の参加のようでしたが、全国各地から議員らが参加、講演は厚生労働省医政局総務課長・深田修氏による「安心と希望の医療確保ビジョン」、城西大学経営学部マネジメント総合学科准教授・伊関友伸氏による「試練の時代の自治体病院経営」というテーマでした。
 厚生労働省課長の話は、感想としては、こういう人によって担われているから医療行政はよくならないのだろうということです。善意に解釈すれば、ひたむきに医師を確保しようと現状を改革しようとしているまじめな人で、東京日野市の議員が質疑応答で医療確保ビジョンをいくら語られても自治体病院の医師確保や経営の安定にはつながらないという批判に対しても必死に「私は国立病院の経営を黒字にしてきましたっっっ!!」と抗弁してましたから、自負とプライドがあるんでしょう。福田内閣のもとで作られたという「社会保障の機能強化のための緊急対策」や「平成21年度概算背要求における具体的施策」など、いくつか役に立つ資料が入手できたことはよかったですが、その「緊急対策」の5項目め、「厚生労働行政に対する信頼の回復」については語られなかったし、そうした視点から反省が前提にあるという語り口ではなかったことは私を失望させましたが。
 まったく違った意味で自信に満ち溢れた講演だったのが夕張の病院を再建したという後者の講師。おおいに参考になりましたが、友達にはなれそうにないなあ(Bの血があるのかな)、認識で共感できるところは多いのに。とくに、例の総務省ガイドラインへの批判は完全に同意見。200人以上の議員たちを前に、始終議員のろくでもない介入に対して口角泡を飛ばしての批判などはプレゼン慣れしている時代の寵児かと納得したりしたわけで。
 患者と医師(病院)の、よい関係を築きあげていくというテーマも、共有できるものでした。そういう意味では医療改革は行政側だけの仕事ではなく市民と協働で行うべきものであるといえると思います。

 閑話。隣の席にたまたま倉敷市議の議員が座っていらして、お声をかけていただき、春の常任委員会の視察で私が倉敷を訪ねたことや、市長選で新しい女性市長が誕生した直後だったことなどを休憩時間にお話をしました。どこの自治体でも病院経営には苦労していることははっきりしています。最近、小泉構造改革についての冷静な評価がなされ始めていますが、彼が打ち出した毎年2200億円の社会保障費圧縮についてこそ、大いに検証してもらわなければなりませんね。