市立病院のこと

 昨日で一般質問が終わりました。市立病院の医師確保に関連する質問は私以外にも民主党公明党共産党の各議員からも質問があり、提言、指摘含めて今の緊急事態に対応を求める世論を充分反映したと思います。28名の定員の議会ですから、市立病院問題、医師確保、医療をめぐる諸問題にしても、それぞれ主張の異なる点は当然あります。しかし、おそらく「市立病院から産婦人科がなくならないでほしい」との思いは共通だと思うのです。これまでも、そうした立場で、県立病院の移譲以来、市議会の各会派は議論を重ね、意見の違いを戦わせながらも各々が尊重しあいながら留保もし、ここまで来たのだと思います。
 市立病院からの産科の撤退については、いろいろ情報提供もありました。今回の質問に全てを反映させませんでしたが、総意として、この難局を乗り切ることができたら市民にとって、出産を控えている方にとって、当面の出産に不安を抱えている方々にとって、安心を保証することができると思います。産科医師が過酷な条件の下で働いていること、さまざまなリスクに対する保証がないこと、など産科医の不足は当然国レベルで充足を図る手立てを講ずべき問題です。そのことは大前提だと言いたい。
 その上で、私の質問で、指摘したように、公立病院の医師確保については条例や規則において、または契約において、なんらの書面による約束はなく、したがって今回の件も、医師を出していただいている大学病院側から「引き上げます」と通告されても「約束が違う」と抵抗できないという問題があります。担保された「約束」が存在しないのですから。
 不採算部門を引き受けざるを得ず、しかも、駆け込み出産など、民間の診療所や病院では断られるような出産のケースを公立病院は受け入れざるを得ません。そうした過酷な状態を強いられていたとしても、公的医療はその存在意義を失うものではないはずです。お金を払えそうかどうかを見て治療をする医療機関であってはならないからです。そうした、公共の福祉という使命を理解していただかないと、とても務まる職場ではないでしょう。だから、これからはどの診療科においても、医師不足が生じても対応が保証されるように対策を練っておく必要があるはずです。
 不安を一刻も早く解決するために、おそらくは今議会中にもなんらかの方向性が示されることになると私は思います。これが今、在籍中の議員の最後の大仕事だといえるのではないでしょうか。