エレンタール

入院中に、主治医より「厚生労働省からの依頼で、栄養剤のエレンタールを術後に使用した場合としない場合の違いを調べるための協力をお願いできないだろうか」と言われた。要するに、実験材料なわけだが、条件として情報がきちんと開示されることを約束して協力することにした。協力の前に、もし仮に、使用した場合が術後の改善が6割で、使用しない場合よりも経過がよい、というなら患者心理としてはどうしても使用したいと希望したくなる、だから、本当に調べなければわからないほど五分五分なのだろうか、と尋ねた。主治医は、そうだと答えた。まあ、ここであまりやり取りをしたところで、厚生労働省にはさして影響も与えないので、というか、現場の事務レベルに負担が行くだけだから突っ込まないことにしたのだ。


エレンタールは、試しに飲んだが、ラコールより、さらにエンシュアよりもさらに飲みにくい。300を飲むのに、だいぶ苦労した。使用する側になるとすると、900も飲むことになるという話を聞き、どうやって時間を確保して飲むかを思案していたが、結局飲まなくてもよいことになりほっとした。

先日、術後の診察を受け、その際病院で同じ病気の入院患者に会い、エレンタールを800飲んでいると聞いた。しかもフレーバーなしで飲めるという。すごいねえ。

同病の患者と会うと、変な話だが、話が弾む。とにかく、治療法が確定するためになら協力はしたいが、命がけなのだから、真剣だ。今のままの厚生労働省に、無条件で協力するのはとても嫌なのだ。だからというわけではないが、協力を無条件に受け入れることだけはしないことにしたい。

エレンタール、はところで、アポロが月に行った時の食料として開発されたらしい。栄養士さんに教わった。知られざる話である。もう少し飲みやすく開発されないものだろうか。