「格差」を追う

  • 格差拡大

格差拡大を問題にしたいくつかの記事を見ました。そのうちの一つ、週刊ポスト(4月21日号)にも、日本全国「格差」の実態、という記事がありました。そのうち興味深いものだけ拾ってみました。東京と沖縄を比較してみると…

給料ランキングは東京都が43.3万円(1位)、沖縄県27.3万円(47位、最下位)
パートの時給 東京都 1056円(1位)、沖縄県 777円(44位)
貯蓄額 東京都 1729万4千円(5位)、沖縄県 450万9千円(47位)
それぞれ、総務省統計局の各調査から、のようです。
有効求人倍率 東京都 1.61(3位)、沖縄県 0.45(47位)
そのほか、格差は教育にいくらお金をかけれるのかという問題におよび、大学入試センター試験の平均点比較(代々木ゼミナール調べ)などもありました。ここでも東京都が1位で、沖縄県は44位でした。

週刊エコノミストでも、格差をテーマに特集を組んでいて、興味を引いた記事がいくつかありました。格差はないといくら強弁しても、負担が増加すればするほど、どうしても実感は「格差」を感じてしまいます。雑誌「世界」でも格差の問題の特集がありましたが、両方の雑誌の中で、税制や資本主義のあり方など、本来予算審議の国会で議論して欲しかったような中身がありました。国会は残念でしたが、国民の「このままでいいのか」との思いは決して消えることがないのではないかと私は思うのです。

いわゆる難病についての補助削減が進められています。厚生労働省が年々補助を減額して自己負担を増やしてきていましたが、これからも医療制度改革の中で特定疾患補助がターゲットにされてきます。たとえば軽症患者は補助がなくなるというのがその一つのようです。

しかし、そもそも特定疾患はその病気の原因が不明であるなど、研究に対しての国への協力の約束の上に成り立っているもので、軽症であっても研究に対しての協力は意味があるはずではないでしょうか。でなければ、そもそも「特定疾患」として認定することに意味すらなくなってしまうのではありませんか。

私自身、クローン病という小腸に病気があり、何年も治療を続けています。幸い外科的処置を必要とせずに軽症で進行していますので、日常に不便はありませんが、医療費の負担は決して少なくはありません。しかも、クローン病それ自体の治療はそうでもないのですが、そこから影響してのさまざまな病気が次から次へと起こり、これがまた負担を増加させています。

私自身が当事者なので、特にこの問題はまったく納得がいきません。すでに介護保険制度導入以降、高齢者、障害者、などへの負担増は続いてきていて、日本の国民の資産と所得の格差を拡大させています。医療費の増大を問題にして、介護予防とか健康21とか、そういうような施策を重点にしようという国のネライ。しかし、支えるところはきっちりと支えていかないと人間社会は成り立たないのではないでしょうか。