アカデミー賞

2月29日のアカデミー賞授賞式、司会はクリスロック、冒頭から「白人が選ぶで賞」と会場を沸かせました。会場の外は、黒人がデモを行っているという状況、自身も司会を受けるべきではないという声がある中でこの場にいると発言をしていました。

2年連続で黒人が俳優部門枠でノミネートされなかった(歌曲賞でたとえば昨年グローリーがとっているなど他部門では受賞がある)ことについて、批判の声が上がり今回は授賞式をボイコットしている人もいるくらい波紋が広がっています。

日本の政界では相変わらず差別問題について無頓着で配慮ない発言が続いていますが、いまもなお続いている現在の問題であることを認識しなければ。そして、アカデミー賞授賞式の報道でも日本ではディカプリオの受賞などが表面的に伝えられているだけですが、多くの受賞者らの発言は極めて政治的な内容となっていて、その中身こそぜひ伝えてもらいたいものです。

「マネーショート」受賞者は
「金融業界に政権を握られないためにも銀行や石油会社と関係を持つ候補者には投票しないで」

アカデミー理事会からは
「アカデミー理事会は今後偏りをなくしていくと発表した。このメッセージを広めてほしい。賛同するだけでは不十分だ、行動しましょう。昔、キング牧師は言った、人の真価が問われるのは平和の時の行動ではなく困難や論議が起きた時に示す態度である、と」

バイデン副大統領はレディガガを紹介するにあたり
「いまもなお大学では多くの女性と男性が性的暴行に苦しんでいる。自主的承諾なしの性的接触を目撃したら必ず阻止をすると」

主演男優賞のディカプリオは
「この作品では人間と自然の関係が描かれました。2015年は史上最も気温が上がった年で雪を撮るのに地球の最南端まで行かなければならなかった。気候変動は現実のものです。人類に迫る最も身近な脅威への対応を一致団結して行わなければなりません。汚染を生む大企業ではなく人類のために動く指導者を支持するのです。世界中の原住民や何十億の恵まれない人々、未来の子供たち、そして政治の欲に声をかき消された人々のためです」