網走監獄脱獄犯の本

リニューアルされた網走市の流氷館見学の休憩時間にふと目に止まり買い求めた文庫本、「脱獄魔 白鳥由栄」。網走市訪問の帰途、機内で半分読み、その後議会の準備に追われていて、本日北里での治療の合間に読了しました。


網走市の監獄博物館は毎度見学していますが、脱獄犯の話は脱獄している様の人形もあり印象に残ります。しかし、本を読むとその人の生きざまや時代背景もわかり、なかなかのヒットでした。

網走観光サービス、の発行、平成4年、とありますが、作者あとがきに記された日付は昭和54年10月。何度も脱獄している白鳥の「活躍」している時期は戦前から戦後まもなく、という頃です。


あとがきによると、白鳥は網走脱獄後の東京入獄中、それまで劣悪な対応だったのに比べ手錠もされないなどの優しさに触れ、以来模範囚となり昭和36年仮出所、昭和54年に亡くなったと書かれています。


蟹工船で働いていた話や監獄の酷さを語る徳田球一の話、また網走監獄の囚人たちが戦中果たした軍事「徴用」など、歴史を知る上で貴重な一冊でした。