月刊自治体ソリューション、によると

マイナンバーへの移行準備が進んでいる情報が伝えられています。

2016年1月以降から始める、ということについてまずもって無理だろうとの思いがあります。

税と社会保障の一体改革は、仕切り直しとなっていて、とくに社会保障関係の各サービスは、たいへん厳しい状況になっていると言えます。そんな状態であるのに、マイナンバーが実施されたとしてもそれははたしてそもそも「なんのため?」と言いたくなります。

厚生労働省は、同時並行的、なのでしょうが「データヘルス計画」というものを進めているといいます。「メタボ検診実施率60%以上」といった目標を盛り込んだりするという。

総務省は、うまそうな案を自治体に持ちかけているようです。それは、「児童の検診受診や就学状況などに関する情報をマイナンバーを使って関係部局に照会し、提供を受けるようになれば、児童虐待や居所不明児童の問題で実態把握の迅速化が期待できる(自治体ソリューション1月号)」ほか、所得の把握などに必要な書類の添付が各種サービスを受ける際に不要になるメリットをアピールしています。

しかし、ここで根本的な疑問が生じます。それは個人番号カードの交付方法、なのですが、総務相の案では、2015年10月から12月にかけてカードの交付申請書を全国民に郵送。その後、交付希望者からの返信を受け、2016年1月以降に交付準備が出来た自治体が順次通知書を送る。で、それを持って役所にでかけて交付を受ける、というのがベースらしい。

もっと簡略に、という案も採用されるという見通しもあるようですが、そもそも、「希望者」にということはさきほどのメリット、としてある「居所不明児童」云々の話は絵空事、になるのではないでしょうか。

さらに不安なのは自民党はこのカードに「国民健康保険証」や「印鑑登録証」の機能も付加するように検討しているといいます。使用頻度が異なるこれらの機能を持たせるメリットはどれほどあるのでしょうか。

法整備や条例整備、についても課題が相当あるようです。そして、最初に述べたようにそもそも、何を目的にしているのか、についての国民の合意があると判断できる段階にあるのでしょうか、それよりも先に社会保障制度の恒常性確立を急ぐ必要性のほうをわたしは重視すべきだろうと申し上げたいところです。