衝撃の川崎市長選

27日、神奈川県下では鎌倉市川崎市市長選挙が行われました。

川崎の市長選挙では、自民、公明、民主の3党相乗りの候補が僅差で敗れるという結果になりました。当選した福田紀彦氏(元県議、前回市長選挙では落選)の相対得票率は38.8%(142672票)で、次点で落選した福嶋氏の38.0%(139814票)とはまさにわずかな差でしかありません。票にして2858票差でした。

投票率の32.82%を考えたとき、風が吹いたとは考えられず、むしろ必ず投票に向かう意識的有権者の選択といえ、政党推薦の効果がいかに薄く、相乗りへの反発が大きいものかをあらためて示したものと言えます。今回は共産党推薦候補も85475票(23.2%)を得票しており、一騎打ちの構図ではなかった中での結果ですからなおさら自公民3党には衝撃でしょう。これら「3党合意一派」は、結果を受けても反省しないで何度でも失敗を繰り返しています。国政において多数の議席を占めている政党が、民意をつかめない実態の一つ、これが川崎市長選ではなかったでしょうか。


報道によれば、候補者選定で自民党の官邸主導(菅官房長官)に反発もあったやに伝えられています。もとより、選挙は候補者が全て。官僚色丸出しで勝てると踏んだあたりが政権側の奢りと言えるし、民主党に至っては、いかに国政で対決姿勢を示そうと、有権者に身近な地方自治体の首長選挙自民党に擦り寄る感覚をいまだ持っているとは情けない限りです。


当選者が、松沢前知事(現参議院議員)の秘書をかつてしていて今回松沢氏がかなり応援した、と言われていますが、そこは主要な要素と見るべきではないでしょう。7月の参議院選挙から3ヶ月で、政治的な意識には大きな変化が生まれつつあることの証左です。


なお、神戸でも市長選挙があり、こちらは自公民3党推薦候補が辛勝しましたが、やはり161889票対156214票、と5675票差で、その他3候補の得票を合わせると12万票あまりもあったことを考慮すると自公民への批判は強いと見るべきでしょう。