全労済寄附講座

niginigi32013-05-18

 昨日、早稲田大学商学部全労済の寄附講座があり、およそ20名程度の応募があって以前申し込んでいたところ、参加できる旨の連絡があり、以下の講座に参加しました。
テーマ: 「健康で文化的な最低限度の生活の保障」
講師 : 湯浅 誠 先生
場所 : 早稲田キャンパス11号館505教室
    
 画像は11号館の近くの8号館前に立てかけられていた看板、なかなか面白そうなのがほかにも掲げられていました。

 さて、だいたい250人はいたでしょうか、広い教室の中に商学部の学生さんたちがいっぱい。前回の講義で私語が多かったことの叱責が冒頭、担当教官(かな?)からあり、黒板に大きく「shame on you」と書いてかなり厳しくシメテました。

 講義内容は、湯浅さんらしく、湯浅さんならばそう考えるだろうな、という展開で1時間半、まあ昨今の自己責任論に陥りがち、誘導されがちな社会保障論に対する警鐘を鳴らした、というところだったと思います。

 学費がなぜ高いのか。奨学金制度はどうなるのか。返せない人が増えていることをどう見るのか。

 学生にとって、若者の将来にとって、身近な話を通じてどのような投資が必要なのかを考えさせるのが主題だった講義。受講する学生は比較的経済的に恵まれているとはいえ、その教室でもだいたい2割は奨学金を受けているようでした(湯浅さんの問いかけで)。

 簡単に解答を示せる問題ではなく、問題点を指摘、共有することから、まずは考えることから逃げないことが大切、そうした湯浅さんの心がどう学生たちに伝わったでしょう。

 そういえば、数日前の市民福祉常任委員会の所管事項調査は釧路の生活保護制度が調査対象。そのことにちなんで、図書館で「ルポ、生活保護」(本田良一氏著)を読んでみました。要するに、自立支援プログラム、というものをどうとらえるかが分岐と思います。言葉で言う「自立」は、受け止め方がその人によってかなり温度差が生まれます。明確な定義なく独り歩きしがちな言葉です。ですから、日本における、自立とは何か、をきちんと共有することを目標に置きながら制作を発動する必要があると私は考えています。たとえば、そもそも「貧困なんてなくならないよ」というような姿勢でこの問題にあたらないこと。そういうことです。

 投げやりで、短絡的な思考に陥りがちな昨今の風潮に待ったをかけたい思いを持ちながら、私もまた、毎日を過ごしています。