オスプレイの低空飛行訓練の中止を求める意見書提出、可決

厚木市議会12月定例会最終日、陳情の「米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの低空飛行訓練の中止を求める意見書を国に提出することを求める陳情」が賛成多数で採択され、同趣旨の意見書提出が可決されました。

内容は

 日米両政府は、米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ沖縄県への配備を多くの国民・沖縄県民の反対を無視し強行された。その上、先日、オスプレイ沖縄県だけではなく、米軍厚木基地への配備も両政府の取り決めにより決められていたことが報道された。
 オスプレイは開発段階から事故を多発し、安全性の問題が取りざたされてきた。
 これまでも厚木基地から飛び立った戦闘機が起こした事故は、私たち厚木市民の身近でも多く報告されている。両政府は沖縄県に配備するに当たり「住宅地上空では訓練は行わない」などのいくつかの条件を挙げてはいるが、米軍専用空域の一つである首都圏を中心とした「横田エリア」には、神奈川県も含まれており、このまま事故を繰り返すオスプレイの訓練が行われることは、騒音やその他市民の生活に大きな不安を与える。
 よって、国においては、市民の安心・安全を守るためにも米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの低空以降訓練を中止されるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。(以下略)


 なお、その他本会議では、住民投票条例などの条例は賛成全員で、補正予算は賛成多数(私だけ反対でした)で可決されました。

 市立病院特別委員会では工事の進捗状況の報告、広報広聴特別委員会では議会報告会での質問の取り扱いを決定、広報の次号の内容の協議を行いました。


 これで、年内の議会は終了。選挙と重なりとてもあわただしい議会で、本当に大変でした。重要な議案もあったので、当然手も抜けず、時間的にはかなり厳しかったため、ブログでの報告がおろそかになりましたこと、お詫び申し上げます。


補正予算についての討論の原稿はだいたいこんな感じでした。貼り付けです、多少議場で発言した内容と異なりますが。

 一般会計補正予算については、交通安全のための通学路整備や学校の普通教室への扇風機設置など、位置づけからすれば優先度は高かったはずで、本来は当初予算に計上されなければならなかったことです。この点は8月臨時議会補正予算成立の際にも議論をしたところです。しかし、この議会で補正予算が組まれたことを見たときに、担当者および財政当局のご努力に感謝も致します。

 が、しかし。
 旧パルコビルの整備に関して、ようやく11月30日に8億5千万円で厚木市が取得、この議会では債務負担行為として来年度以降に上限額24億7千万円の設定で設計施工が進められ、平成25年度末には完了するということを考えているとのことです。
年度当初からすぐに仕事に取り掛かれるようにするためのいわゆる「ゼロ起債」の設定とは異なり、これだけの規模の契約を、予算の提案を経ないまま事実上契約準備を想定したそれぞれの取り組みを、認めなければならないほど完成時期を確定しなければならないものでしょうか。かつて、商連、市街地にぎわい懇話会からは「早期の取得」を求める署名も提出され、当然早期の整備を期待していることでしょう。

 しかし、市街地全体の面的な整備の方向性、構想が確立していない、合意されていない段階で、設計施工に走ったとしたらコンセプトはどうなるのでしょうか。議会への説明、については付帯決議を尊重した対応をしていただいていると認めますが、2-2地区の整備などとの関係なども付帯決議では触れており、この点についての懸念は払しょくされたといえるでしょうか。


 かつて、厚木市はモノレールが通ると多くの人々は期待して移り住み、本厚木駅愛甲石田駅の間に船子新駅をという話すらありました。大きな計画の変更は民意の反映としてあり得る話ですが、厚木の都市基盤整備が木に竹を接いだようになってしまっている現実を正しく認識する必要があります。

 財源が厳しいと言っている中で、効果的な投資になるのかどうかという検証が必要です。また、公共施設の再配置についてはまだ具体的な計画が示されてもいません。24億7千万円の財源内訳をみても一般財源は1割にも満たない2億710万円とされていて、社会資本整備総合交付金や地方債の占める割合がほとんどです。厚木市の現在の経済的、財政的な基礎体力をどう認識しているのでしょう。

 参考までに、平成11年度に策定された「厚木市中心市街地活性化基本計画」の中で、まちの顔づくりの一例としての情報表示板設置事例として、大型映像装置の必要性を説いている部分を引用しますと、「中心市街地におけるまちの顔としての魅力の向上を図るための装置の一つとして、本厚木駅前に大型液晶画面等による情報表示板を設置し、動きとにぎわいを演出することによりシンボル性の高い集いの空間としての活用が可能となります。また、表示板に掲示するプログラム等については、商業利用に限らず、広く市民一般の情報を提供することにより、市民活動や街づくりを支援するための装置としても期待されます。特に、類似装置の設置は東京都心等の大規模繁華街が中心であり、周辺市町村での設置事例も少ないことから、若者を中心とした話題性の高いものとなることが期待できます。」このように強調されていました。いまのあつぎビジョンはどうなっていますか。

 計画段階では、このように期待値をふくらませるものだということを最後に加えさせていただきます。同じような失敗を繰り返すことなかれ、と申し上げておきたい。