放射線対策の自治体格差

 まずもって、なぜこんなに自治体で対応に差が生じるのか。絆がどうのと言っている割には、自治体の首長は、どうして誰もリーダーシップを発揮して、共同で住民の安全を守ろうと呼びかけようとしないのでしょう。

 厚木市の財政規模と人口。一般会計予算ベースで736億円、おおざっぱに人口22万4千人で割ると一人当たりは32万8千円くらいとなります。
 お隣の伊勢原市は同280億円で10万人、一人あたりで28万円。
 土壌検査までやった実績のある大和市は同637億円で23万人、一人あたりで27万7千円ほど。
 座間市では、同352億円で人口13万人、一人あたりで28万円くらい。
 海老名市は同368億円で人口は12万8千人、一人あたりで28万7千円ほど。

 御覧のように、ざっと近隣で比較したところ、厚木市の一人当たり一般会計予算は近隣市よりも多いことがよくわかります。

 さて、放射能汚染対策については、もちろん、自治体が競ってよい施策を実施するのもよかろうとも思いますが、こここういう事態に立ち至り、汚染は全土化している現状といまもなお福島第一原発の事故は決して収束などしておらないことを考えれば、自治体の協力で、対策予算をねん出し、財政力のない自治体のカバーも含めて広域で対応しようとするのが真の地域主権ではないかと思うのです。

 この件、反論があれば伺いたいですが、それぞれの自治体で安心・安全はきっと謳っているでしょうし、防災、災害対策の強化も共通しているでしょう。近隣自治体の協力は何よりも大切なのではないでしょうか。各自治体のホームページでもずいぶん違いがあります。放射能汚染対策を最近までトップからリンクできた厚木市ホームページはこのところなぜか、トップから消し去りました。厚木市にとって、もうトップに置いておく価値がないと判断したかのように見えます。他市では、もちろん差がありますがいまもなおきちんと目立つように、トップから放射能汚染対策などのページに行けるように配慮がされ続けていることを見ると、その対応の差は歴然としています。(補足追加。6月21日確認したところ、トップページは改善されました)

 そして先に示したように、厚木市の財政事情からすれば、率先して対策を練り、そして自治体間格差が生じないように、せいいっぱい、近隣市をカバーするように連携を模索すべきです。

 先週報告した通り、環境教育常任委員会ではたいへん残念な陳情審査結果でしたが、なにも事態は解決したことになっていないということは行政の当局、担当者はわからないほどではないと思います(思いたい)。

 事実から目をそらすのはやめよう。きちんと厳しい現実を知り、できる限りのことをしよう。
 そのために、個人にはできないことでも、行政ならばできることがあるのだから。感謝される行政であれ。