マスコミの影響力

niginigi32012-05-29

 資料請求していた、放射線等に関する副読本(小学生、中学生、高校生対象の3種)が手元に届きました。部数がないとのことで提示・貸与の形で私が必要な部分を複写することがOKで提出されたものです。
 これは、非常に重要な、ある意味証拠物件だと思います。いまもなお現在進行形で進む原子力発電推進の動きの背景には、こうした副読本が存在していることにあることは明白です。副読本問題は、先の市議会でも問題にした議員がいまして、厚木市教育委員会としては独自の対応を現在模索中ですが、認識を共有するためにどんな副読本なのかは一読しておくべきでしょう。
 
 なにせ放射線は安全であるとの前提で構成されているので、危険性についての記述はほとんどありません。影響についてもたとえば「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」とした記述は何を目的としてわざわざ掲載されたのか。こんな一方的な見解が教育現場に出回る社会のどこが健全だというのでしょう。枚挙にいとまがないとはこのことで、肯定すべき要素が見当たらず、であります。

 原発事故調査委員会、での検証は意味がないとは言いません。しかし、一番問題なのは「原発の維持存続を前提にしていた」ために「人命を第一に判断をすることができなかった」ということに尽きるはずです。違いますか?

 副読本に、退避や避難の考え方、という項目があります。

 放射性物質を扱う施設で事故が起こり、周辺への影響が心配される時には、市役所、町や村の役場、あるいは県や国から避難などの指示が出されます。
 周辺のデマなどに惑わされず、混乱しないようにすることが大切です。
 家族や先生の話、テレビやラジオなどで正確な情報を得ること、家族や先生などの指示をよく聞き落ち着いて行動することが大切です。

 とありますが、「国からの指示」が信用を失った事実があるのに、こんな記載がされていることはよろしいのでしょうか。また、テレビをはじめとするマスコミ情報を無条件で信用することを推奨するのはいったいどうしたことか。

 マスコミ、特に映像を垂れ流すテレビの影響は大きいと私は思います。

 しかも、マスコミはその情報を意図的に、修正して伝えることも可能なわけです。天皇の言葉ですら一部削除して流したことは記憶に新しい。

 先日厚木市議会が行った議会報告会も、地元紙、タウン誌、ケーブルテレビなどを除いたマスコミは全く関心がなかったようで取材もなかったわけですが、「叩く」と決めたら「叩く」ことしかしない。地方議会、については大方「不要」「無用」と路線を確定している新聞やテレビは、議会の権能を縮小する動き以外取り上げる必要がないのです。それじたいが世論の誘導なわけですが、マスコミが権力を持っている以上、そのことにだれも手出しができないということをあらためて認識することとなったのでした。

 さて、マスコミの力、テレビの影響力、映像の力、についてはとても大きいということは否めません。子どもたちへの影響も大きいのです。そのことに常に注意を払うことが必要だということを今日は述べておきたかったのです。人を、徹底的に追い詰めることもでき、美談にすることもでき、悪人にすることもできる。ですから、そんな「報道」(報道と呼べるのか?)にのみ依拠して生きることから少なくとも私は、自由でありたいと思うのです。