高血圧の話

 先日の市立病院60周年記念講演での話、山本院長が取り上げたテーマは高血圧。10%は原因がはっきりしているが90%は原因不明といいます。血圧の問題に着目されたのは歴史上いつか?どうやって最初は血圧を測ったか。血圧の正しい測定方法は。
 
 リスキーな社会に生きている私たち、にとってどこまで健康管理が適正にできるかはなんとも頼りないと言わざるをえませんが、生きている以上、いいかげんに生きるよりはよりよく生きるほうが生命の進化にとっては正しい道筋なのだろうと思います。

 塩は、1グラムでいいと、先生はおっしゃられましたが、どだい現代社会でそれはほぼ無理。入院でもしない限りは難しいでしょう。そもそも5グラム摂取ですら、外食、あるいは市販の製品を取り込むだけでも厳しそうです。塩分の過剰摂取がよくないとは言われながら、もちろん油にせよ、糖分にせよとりすぎはよくありませんが、どういうわけか前から折に触れ私は言っているのですが、外食などでそういう視点で提供される料理が少ないのはなぜなのでしょうか。これだけ健康について関心が高い社会であるのにもかかわらず。選択肢がいっぱいあるように見えて実際は選択肢があまりないとも言えるのではないでしょうか。

 そういえばTPP、環太平洋戦略的経済連携協定、は推進の側から聞こえる「いつでも抜けられる」とか「その項目は対象外」などというものがいかにも胡散臭い。健康が大事と一方では盛んに言われている割に私たちは市場原理、のなかで健康を最優先、声明を最優先して生きることが許されてはいないのだということに気づかされます。それと同じで、その名の通り戦略的な経済についての連携が第一義的に定義される協定であって、失われるものがあるということについて、そのリスクについて何も説明されないというのはあり得ない話です。
 
 アジアという地域、での中長期的な経済的あるいは政治的融合については私は前向きであってしかるべきと思いますが、それぞれ二国間での協力、協調関係を基礎に綿密に取り決めていくことがベースにある必要があると思います。アジア各国はそれぞれにさまざまな成長を遂げており、ゆえにそれぞれに強い部分があり弱い部分もあるわけで、相互に、互助的に補うという意味では考え方として正しいはず。しかし、それはそれなりの過程、徐々に積み上げていくという過程がなければならないでしょう。
 EUが21世紀的な挑戦を目指している(過大評価に聞こえるかも)のに比してアジアは今もなお20世紀から次へを模索し続けているように見えます。日本にとってよりよい選択をするということと同時に、それは日本だけがよければいいという選択をすべきではないということも考えなければならないはずです。どうもそのへんはまったく信頼おけない。日本の経済界、あるいは政府の新成長戦略も、原発や新幹線頼みで、日本のことはさておき海外に拠点をというばかり、円高に対する国を挙げての対策というよりも防衛策ばかりという風に見えてしまいます。どこにアジア全体にとってという視点での先進国としてのリーダーシップを取ろうという姿勢が感じられるのだろう。結局はアメリカという国の意向に従うことのみにこうも縛られているということでしょうか。