さらに、なお冷静に

 民主党・新代表に鳩山前幹事長が就任したこの日、インフルエンザの行動計画で決められた段階が第二段階(国内発生早期)になったことが伝えられています。なんどもこの問題を追っています、私からあらためて、さらに冷静に対応すべき、とこの場で書かせていただきます。

 しかし、この「行動計画」の各段階は、非常に判断が難しいものです。何度読んでも、第一段階と第二段階の間の移行期がどのような基準で明確に区分できるかという疑問が解消できません。「水際」での対策が完全ではありえない以上、第一段階はすでに第二段階に移行することが前提だし、同様に第二段階は第三段階への移行も想定しなければなりません。
 「行動計画」に示された、感染拡大を抑えるための「航空機等の運行自粛の要請」などは本当に可能なのか。あるいは、「住民に対し、可能な限り外出を控えるよう要請する」「事業者に対し、不要不急の業務を縮小するよう要請する」「公共交通機関等に対し、利用者へのマスク着用の励行の呼びかけなど適切な感染防止対策を講ずるよう要請する」など、第二段階で求められていることは、学校の休校にとどまりませんが、いずれもきちんとした手続きや準備、対応が求められることはいうまでもありません。今回のインフルエンザが毒性が低いということから、行動計画の適用も弾力的にというのが方針のようです。内容については厚生労働省のホームページで確認できます。

 学校や保育所を一週間休みにするということは、その意味からしても同居人(保護者など)も休まなければ意味がないのです。第一、休まなければ子供の世話ができません。その際の休暇はどういう扱いになるのでしょうか。そういうことも含めて、パニックにならないように周知する準備が第一段階には求められているのです。検疫法の措置を除けば、これはすべて協力要請の範囲をこえないでしょうが、おそらく国民側の協力は心配することはないはずです。問題は、国民の協力したい気持ちに答えられるような自治体や事業所の体制があるかどうかということです。それがなければ、協力したくてもできないのですから。

 厚生労働省のホームページに、「国内発生確認後の対策実施に関するQ&A」というのがありました。このなかに、私の上記の疑問にかかわる部分がありました。
 Q.『保育施設については、臨時休業になった場合に従業員の勤務に配慮するよう要請するとされていますが、学校の場合は要請しないのですか。
 A.従来から、学校が臨時休業となった場合、当該学校に児童・生徒を通わせている従業員に配慮するよう、事業主に要請を行うことはしていません。しかし、保育施設については
 ①学校と異なり、就学前の乳幼児についての保育を行う場所であること
 ②夏休み等がある学校と異なり、本来、その性格上、休業は想定されていないこと
 などから、改めて事業主に要請することが必要と考えられます。』
という部分です。突然、一週間も仕事を休まなければならないのに、保育所には要請する(これ自体もどれほど担保されるか?)けれども、就学した場合は要請しないとなると、具体的にどうすればいいのでしょう。ぜひ、そこをつめていただきたいものです。

 それぞれが、冷静に、自分できちんと考えて行動することが大事です。



 参考になりそうな記事がありました。以下のようなものです。

 元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員会委員 菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長の話 神戸ではおそらくまん延し始めた段階で、周囲にも発症者がいるはず。感染源、感染ルートは分からないが、全国各地に同程度の感染者がいると考えていい。
 しかし、患者の症状はあくまで季節性インフルエンザ程度のため、個人は絶対冷静に対応してほしい。そうしなければ偏見や隔離を避けるため、発症しても隠すようになってしまう。
 感染が確定すると、現在の国の行動計画では、診断した医者も含めて隔離されたり、病院が閉鎖されたりしてしまう。今回の症状程度では、そこまでする必要はない。過剰な対策は、発見を遅らせたり、拡大させる原因になりかねない。
 また、健康な人が感染を恐れて家に閉じこもる必要はない。だが糖尿病など別な病気を持っている人が重症化する例はあり、基礎疾患をもっている人は注意してほしい。
 今回の感染発覚は水際対策では完全に防ぎきれないという証拠だ。今後は水際対策より、早期の治療、診断を進めなければならない。

  • 厚木市では、今日のホームページで、冷静な対応をと呼びかけながら、以下のような案内を出したようです。

 
 新型インフルエンザ 〜感染拡大が懸念されています〜 感染の予防を心がけましょう!

 5月16日、神戸市内で海外渡航歴のない新型インフルエンザ患者が確認されました。
 このため、5月11日以降に関西地域(兵庫・大阪・京都)に行かれた方、および流行国から帰国された方で、急な発熱や咳などインフルエンザと似た症状がある場合は、次の窓口に電話でご相談ください。
■【発熱相談センター】 神奈川県 厚木保健福祉事務所  ℡224−1111(代)  窓口開設時間 9:00〜17:00(土・日・休日も開設) ■神奈川県庁  ℡045−633−3777  窓口開設時間 9:00〜21:00(土・日・休日も開設)お問合せ 厚木市健康づくり課(保健センター) ℡225−2201 窓口開設時間 8:30〜21:00(土・日・休日も開設)