説明員不要

 今日の3点セット説明会に参加して一番の感想は「説明員不要」。

 まず、説明会が自治基本条例、新総合計画、都市マスタープラン、という重要なテーマを一緒にして行われたことは、市民との協働をうたっているわりには大雑把な段取りだといわざるをえません。どれも、それぞれがこれからの厚木市を作るうえで欠かせない話で、丁寧に市長の思いを語るところが大切だったはずだ。まだ、説明員の出番ではない。市民の意欲を引き出し、可能性を大いに拡大する必要があって、二番煎じではない、地に足の着いたものをつくりだす創造の作業へのいざないが、市長の今日の使命だったはずではないのでしょうか。

 一緒に説明をするというのであればなおさら説明員は要りません。3点セットにして説明をするということは、理念の共有が目的となり、だとすれば市長一人で十分。あんなにぞろぞろ部長をかき集めて何を考えているのか。市長一人で語れないような話など今日の資料を見る限りどこにも見当たりません。あんな場所で、まるで議会の常任委員会での理事者説明のように「それでは1枚おめくりいただきまして〜」なんて、やる気まったくなくしますね。

 とにもかくにも、説明会をとりあえず消化して、形式的にではあれ次に進める段階に移れたと、行政は思うのでありましょう。これで、意見がある人はパブリックコメントに応じてくれればよいのだ、という言い訳もできるわけだし。零点だよこんなやり方!

 厚木市にとって、なぜそれぞれが欠かせないのか。市長はどんな総合計画をイメージしているのか。市長はどんな自治条例を目指したいのか。語ってから、もっといい案をどうか出してほしいと真剣に訴えないでできる代物なんでありましょうか?  

 新しい市長への期待が強い今だと、市民も大目には見てくれるでしょう。まだ就任から1年と少ししか経っていませんから。せっかく、多選自粛という条例を実現したのに、そのことの宣伝も弱い、任期を3期に限ったからなおのこと、市長主導でもない、行政主導でもない、新しい自治の形を作り出すために市民との協働が必要なんだということを共有すべきです。市長主導でない、ということはイコール市長は決断を他に委ねる、ということでもないし、自分の理念を語らない、ということでもない。誤解してないだろうか?

 総合計画と都市マスタープランは一緒に説明せざるをえないでしょうが、もっと時間的にゆとりを持って、丁寧に、具体的に、市民の提言の取り上げ方の現段階の進行状況の説明、役所の側の準備の段取り、を市長から語ってほしかった。
 自治基本条例は、そんなに急がないほうがいいと私は思います。なぜかというと、市民運動から条例制定が位置付けられたわけではないので、市民自治といっても行政のお膳立てがどうしても必要になるだろうからです。これを急ぐと形だけの自治条例となって、市民のものとして認識されない可能性があります。どうか、再考していただけないものでしょうか。