熱銭

 4日付日本経済新聞に「中国、投機資金流入を規制」という記事がありました。中国では投機資金を熱銭というらしい。記事では、今年1月から5月までの外貨準備の増加額は2688億ドルで、前年同期に比べて2割も増加した、といいます。同じ期間の貿易黒字と直接投資の合計額が約1200億ドルなので、外貨準備増加の半分は不明で、かなりの部分が投機資金だと見られている、と続いています。
 今回講じられる予定の規制は、輸出の為替取引に際しての不正防止のシステム運用とのことですが、公然と水増しをして投機資金が流入していたのは防げるかもしれませんが、はたして巧妙な投機資金の流入まで防ぐことができるかどうか。
 最近の報道では、世界各国のインフレ懸念、についてアメリカの景気動向原油高と投機資金の問題などの状況とともに伝えられています。新興国などの需要の拡大に伴う市場拡大は、急速な資金需要も呼び起こし、同時にインフレは進みます。市場拡大に目をつける投資家は、当然資金需要にこたえるべく「提供」することになり、それは相互に利害が一致するので、成立するのですが、問題は、投機資金がどのくらいの割合で、その国の経済を「支えてしまっているか」ではないでしょうか。急速な経済成長は国民全体の経済力を底上げするのは事実でしょうが、一方で格差も作ります。投機資金がうまみを失って引き上げられたりすることはありうる話で、そうしたときに、問題は噴出すると思います。
 すでに、アジアの中では、貧困の拡大によって、国民が怒りの声を上げているところも生まれています。原油高、インフレ加速、これらの中で疲弊する国民が増大しつつあることに、国際社会は規制をすることが急がれます。ということを、私はここで繰り返し主張していますので、くどいようですが。