原油高騰

 今回の一般質問で、もうひとつ取り上げたテーマは「景気動向」について。市内のそれぞれの景気・経済指標がどうなっているかを尋ねました。
 まだ、データとしては新しいものではないので最近の情勢を反映はしていませんでしたが、かつては商工会議所が調査をしていたがここ数年は行っていないということも判明したので、雇用情勢、倒産件数、不動産取引状況など、景気動向に着目するように要請をしておき、副市長から検討する旨の回答を得ました。(商業の指標の販売数は02年と07年を比較すると5.7%の減とのことでした)

 先週末、青森市で日・米・中・印・韓の5カ国エネルギー相会合が開かれ、原油高騰について「現在の価格水準は異常、深刻な懸念を共有する」との共同声明(青森宣言)が採択されました。代替エネルギー促進などは共通認識だったようですが、原油高騰の背景にある投機マネーの規制にはアメリカが反対したようです。
 アメリカは「需給ギャップが問題」としているようで、中国など新興国での急激な需要増を原因としているようですが、これは事実に反する、という説も私は読みました。アメリカは、サブプライム問題で生じた自国のツケを世界各国にばら撒いて平気でいます。投機経済化に傾斜することをなんとも思っていないようにしか思えません。
 アメリカの景気動向についてはエコノミストの中にも楽観論があるようで、「住宅価格が下げ止まれば」とか「後退局面は浅い」とか言われていますが、どれも国民の動向(意識)や政治の動向をまったく計算に入れていないのです。まあ、意図的に楽観論を流しているのかもしれませんが。

 ともあれ、原油高騰の影響は実質物価高に反映して家計においては実質購買力の低下を招くし、企業では金利上昇による負担増、たとえば設備投資の抑制などに跳ね返るでしょう。
投機経済への規制、つまりは過剰な投機目的の資金の移動についての課税などによって実体経済を保護する以外に手はないと思われます。このままでは国民は疲弊するし、疲弊した国民を救おうにも税収まで減ることにもなって財政出動も不可能になってしまう。

 いま、後期高齢者医療制度の見直し案が出されましたが、問題の根本的解決には何にもなっていません。社会保障の財源についての国民会議の提言では予想通り、増税しかないというようなニュアンスもあります。しかし、分配の問題、そして税による再配分機能の問題を、もう一度真剣に考えてもらいたい。これ以上格差を拡大していけば、未来はないのです。
 だからこそ、投機マネーを規制するのが緊急に必要だと言いたいのです。