特定健康診査

 特定健診の必要性を理解してもらおうということなのか、そういった類の資料(「厚木市特定健康診査等実施計画」)が先日配布されたので目を通してみました。
 指摘すべき問題点は山積していますが、ここでは一つだけ触れておきます。同計画では国が目標値の設定を求めているとして、厚木市国民健康保険の目標を示しています。示すべき3つの目標値とは、特定健康診査の受診率、特定保健指導の実施率、メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少率、ですが、厚木市のこれまでの基本健診受診率は「ここ数年30%前後で推移して」いるとしながら今後5年間で65%(!)にするというのが目標といいます。
 そのうえで、いくつもの対策を検討するとして、可能性のあるものを列記しているのですが、はっきり言って特効薬にはなりそうにありません。たとえば「未受診者に、個別はがき等により受診勧奨を行う」「重要性を訴えるチラシなどを配布する」、などはほぼ費用対効果の面で疑問だし。とくに、「健診に対する意識高揚を図り」、のような前提ものは、どうやって意識高揚を図るかの対策じたいがないので無意味。
 きっとこういうものって、役人が机上で理想を押し付けてくるから現場と乖離するんでしょうねえ。そのうち、メタボ気にしすぎ症候群、なんてのが出てきて対応に追われるんではないか?
 なお、この「計画」のなかで行われたさまざまな分析などは一応参考になるものではありました。とくに、13ページ、「入院の実態」の項、最後の一行がとても重要だと思います。「なお、74歳以下でみると、最も多いのは統合失調症となっています」という一文。
 その項には65歳以上の入院が多いとか、入院医療費の約半分が生活習慣病だとか、まあさもありなんということばかりでしたが、74歳以下の入院で一番多いのが統合失調症だとは知らなかった! だとしたら、こっちの対策のほうが急務ではないのか?