市長、道路特定財源維持を主張

 今日の一般質問で、市長は厚木市の状況から言うと道路特定財源は維持をしてもらわなければ困るという答弁をされました。昨今の新聞紙上でも、道路特定財源の使われ方のいい加減さや、一般財源を求める世論の多さが報道されていることには一切配慮もしないという、道路への執着を見せました。
 道路特定財源の維持、暫定税率の継続については厚木市議会でもおそらく賛成多数で意見書が採択される見通しですが、私を含めて市議会の中でも暫定税率維持には同調できないという意見もあり、せめて市長には「将来的には道路建設について、公平な観点で財源が確保されるように税制が認められ、ムダに使われることがない様に望む」くらいの独自性のあるコメントを述べてもらいたかったものです。
 私は、おそらく議会内でただ一人、以前よりさがみ縦貫道に反対し、厚木秦野道路にも異議を唱えてきた人間だからこそ、道路特定財源反対の主張は首尾一貫していると自信を持って言うことができます。だいたい、鳥獣被害の部分では里山保全しろといいながら、なぜ平気でその里山を破壊するような高速道路建設にまい進するのか。自分勝手な言い分です。
 高速道路を造れば通過交通が減るというけれど、車両総数は増えるのは必然。しかも、今の経済情勢では、運輸業界は運転手に対して「高速を使わないで下を通れ」というのは当たり前。産業構造の転換と、道路に象徴される従来型の公共事業から、里山保全などの自然との共生を確立するための新たな公共事業への転換が必要なのです。

 さて。あさってから予算をめぐる各常任委員会での審査が始まります。私は総務企画常任委員会所属なのであさって木曜が出番です。委員長なので、質問は最低限に絞りますが、財政や総務という管理部門の所管ですので、今後の舵取りについて質問するつもりです。

 施政方針では、気になるところがたくさんあります。今日は2つだけ、誰でも気になる部分だと思いますが。
 なぜ「治安対策」の項に、児童虐待、配偶者などからの暴力の防止、高齢者への虐待防止が入っているのでしょう?これは明らかに、「保健・医療・福祉」の項の最後のほうに書かれている「人権施策の推進」「男女共同参画」とを結合させて、「人権施策の推進」という大きなテーマとして示すべきです。「治安対策」のなかで、「市街地の治安向上に加えて」という文章につなげて児童虐待?本気でそうとらえているのだとしたら大問題でしょう。児童虐待の防止は治安ですか?
 もうひとつ。「(仮称)あつぎにぎわい爆発フェスティバル」というネーミング。仮称がついているからまだ許せる話ではありますが、「爆発」などという文字を平気で使えるあたり、そうした事故にあった被害者のことなど考えもしない、思いやりに欠ける行政らしくて、私には到底ついていけない。活性化すれば何でもいいんでしょうね。
 
 地方分権推進といいながら、結局は厚木市がどのようにリーダーシップをとっていくのか、難しい話は全部「情報公開しますから住民の参加で」と逃げ道をつくっているとしか思えません。市民に丸投げをしても市民の力というものは発揮されるものではないのです。行政とはどうあるべきかを指し示して市民との協同を進めるべきです。
 近く、総合計画についての市民と行政の協同を進める企画があります。大いに市民の力に期待しますが、市長が本日の一般質問の答弁の中で「下手に行政が手を出すと」という言い方をされていました、行政の手の出し方に注目したいところです。