週明け退院見通し

ようやく退院できそうです。およそ2ヶ月にわたる、長い入院生活はもちろんこれまでの中で最長です。ともあれ、年末の大掃除に間に合いそうで、よかった…。掃除をしながら、2か月分の残務を整理しつつ、新年に備えなければなあ。

この入院中に、国会は惨憺たる状況のまま閉会してしまった。しかしながら、現場で働いている人々があずかり知らないうちに悪法が成立する、そんなことが当たり前になりつつあります。たまたま、入院中の私、時間があれば新聞も隅から隅まで読めるし、本も読める。日常の仕事に追われたらとても余裕はないのですが。まあ、ともかく、必要な情報を抽出して、役に立つ情報を生活に生かすことは必要です。情報量が多い今の時代、その抽出にはかなり時間や訓練が必要かもしれません。本来、多くの国民に、必要な情報を提供することこそ、官僚の必須、必要最低限の仕事と思うのです。これが行われていない以上、政治はまず、その閉鎖性と戦わなければなりません。

  • 注目した雑誌から

さて、ところでこの一年で、印象的な本は、あるビジネス雑誌でした。その雑誌によると、投資家たちが注目するインドで店舗を開いた大手家電メーカーSは、インドの人口の2.9%のみをターゲットにして商売が成立するという話でした。つまり、インドの国民の97%はその店では買うものがない。

今年はやはり、格差の拡大が一番の問題であったし、国民にもその問題が浸透してきているとは思いますが、これは国内にとどまらず、もちろんアメリカ国内もそうですし、国際的に同じであって、さらに国際間においても格差が拡大していることが問題だといえます。

文藝春秋の最新号で、作家の江上剛氏が「インド11億人市場の誘惑」という連載を始め、これを見てみましたが、
日本からの進出企業はやはり、インドの購買層、中産階級を対象にしている、ということがわかります。購買層が成熟、成長、拡大していなければ「商売」は成立しないからそれは当然ではあります。しかも、人口が多いから、中産階級が4億人もいるといいます。

4億人! これは日本国内で仕事するよりはるかに魅力ではあるはず。しかし、一方で、おそらくは5億人以上の下層階級も存在していることを見逃せない。どちらも日本の総人口よりも多い、そのインドは象徴だと思うのです。社会資本・インフラの整備も遅れたまま(電圧が変わる、停電も多い、救急車も消防車もないなど−「文藝春秋」)、中産階級の経済で何とか回転させている様子は、いざなぎ以来という景気回復で(国民の実感とはかけ離れているのに!)持ちこたえようとする、日本と重なるのです。

一部に集中する莫大なカネは、行き場もなく投機経済に傾斜し、中国やインドへの投資と向かうでしょうが、それもまた、国民生活とはまったく関係のないマネーゲームにすぎません。経済的には非効率な軍事への過剰な負担とあわせて、富の偏在の問題と分配の不平等の問題を解決させることが急務なのです。国民生活に直結する経済の回復を、所得の安定と負担軽減を優先させることを通じてなされなければ、真の景気回復とは言えません。

来年もがんばらなければ!